カテゴリーアーカイブ:著作

連載「公共を創る」第135回

2022年11月18日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第135回「「大きな政府」から「小さな政府」へー行政改革」が、発行されました。

第132回(10月13日号)から、政府による市場への新しい介入手法と、社会への介入手法が十分に整理されていないことを説明してきました。主たる政策が産業育成・公共サービス充実・インフラ整備から、国民の不安解消に転換すると、これまでの行政手法が十分に機能しなくなりました。モノやお金の提供、法律による規制は、国民の意識を変える・通念を変える・物質的でない悩みに答えるといった課題には効果が少ないのです。

このような議論を踏まえると、「政府の大きさ」は、「広さ」「深さ」「重さ」という切り口があります。また大きさとは別に「政府の強さ」という切り口もあります。

それらの具体例を見るとともに、行政の役割と手法の変化を見るために、行政改革の歴史を見ます。私は、戦後の行革を、第1期組織と人員膨張抑制の時代(1960年代)、第2期小さな政府を目指した時代(1980年代)、第3期仕組みの改革の時代(1990年代以降)に区分するとわかりやすいと考えています。その社会的背景が分かるように、図表をつけました。

連載「公共を創る」第134回

2022年11月12日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第134回「政府の社会への介入─その新たな動き・手法」が、発行されました。
政府の手法について、近年の特徴的な手法を紹介しています。前回までに紹介したように、経済分野でも新しい手法が編み出されています。他方で、社会の各分野への介入は、その全体像が整理されていないこととともに、手法もまだ整理されていません。

私が経験した仕事での新しい手法に、再チャレンジ政策でのニートやフリーター支援、東日本大震災での孤立防止があります。他方で、少子化や地方の衰退は政府が力を入れている割には効果が上がっていません。難しいのは、人を動かすこと、人の意識を変えることです。
最近の事例では、保育園の送迎バスに用事が取り残される事件です。国は安全管理を求める通知を出しました。しかし、事故は起きています。このような場合に、通知の効果は少ないのです。役所は通知を出すことで「仕事をした」ことになりますが、現場での効果がない限り「仕事をした、成果が出た」ことにはならないのです。

コメントライナー寄稿第7回

2022年11月9日   岡本全勝

時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第7回「社風をつくる、社風を変える」が11月7日に配信されました。8日にはiJAMPにも掲載されました。

今回は、組織の文化「社風」を取り上げました。
毎日のように、会社や役所での不祥事が報道されます。横領や情報漏洩は個人が引き起こす不正ですが、性能偽装や統計不正は組織ぐるみの行為です。後者は、そのような不正を生む「社風」と不正を知っていながら止めない「社風」の両方がないと起こりません。他方で、社員が働きやすい職場、進取の気風など、よい社風もあります。

会社や役所によって、この社風は異なります。難しいのは、合併会社や混成部隊からなる組織です。放っておいても社風はできるのですが、それはよいものにはなりません。
社長の号令でよい社風ができるものではなく、幹部が訓示を垂れてもよい社風はできません。鍵を握るのは現場が見えている課長や課長代理です。その人たちを通じてよい社風をつくることが、幹部の最も重要な能力でしょう。
各自治体は購読しているので、詳しくは原文をお読みください。
参考「組織運営の要諦2

「明るい公務員講座」が朝日新聞に載りました

2022年10月28日   岡本全勝

10月28日の朝日新聞社会面に「発達障害、私らしく働く 職業訓練、自分の特性理解 小刻みに休憩、職場も配慮」という記事が載っています。詳しくは記事を読んでいただくとして。
写真がついています。紙面では白黒、ウエッブではカラーです。
「いまの職場に就職する際に知人から贈られたネクタイと書籍。仕事で壁にぶつかるたびにこの書籍を読み返す」という説明がついてます。記事の文章には出てこないのですが。
その書籍が、拙著『明るい公務員講座』なのです。

ありがとうございます。この本は、仕事をどのように進めたらよいか悩んでいる若手公務員向けに書いたものです。類書がないと自負しています。このような場面でも使っていただいているとは、うれしいです。
仕事の進め方に悩んでいる人たちに、広く読んでいただけたら、うれしいです。「「明るい公務員講座」3部作の解説

連載「公共を創る」第133回

2022年10月28日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第133回「市場経済への介入手法ーその特徴的な事例」が、発行されました。
財政支出以外の政府の手法について、近年の特徴的な手法を紹介しています。まず市場経済への介入手法で、今回は労働政策の変化、コーポレートガバナンス・コード、金融庁の新しい手法を説明しました。
労働政策は、労働者の賃金や肉体的労働条件の確保と向上から働き方改革に移っています。金融庁の監督は、規則を守らせることから、方向を示して金融機関に考えさせるものへと変わっています。

ところで、相手が事業者なら、このような手法も通じるのですが、国民の通念や考え方への介入は内容、手法とも難しい点があります。それを考えることが、行政の新しい課題です。