カテゴリーアーカイブ:著作

著作の解説2 日本の政治と行政

2015年4月13日   岡本全勝

1 今後の日本の政治と行政
①「地方自治50年私たちの得たもの忘れてきたもの」(1997年、富山県職員研修所)と、「失われた10年と改革の10年-最近の地方行財政の成果」月刊『地方自治』(ぎょうせい)2001年5月号は、これまでの行政を、長期的な視点から論じたものです。
また、「豊かな社会の地方行政-工業化社会からポストモダンへ」月刊『地方自治』2002年5月号は、社会の変化に応じたこれからの地方行政の在り方について論じたものです。
それらを発展させて、東大で講義をしました。講義内容は加筆して、「地方自治50年の成果と課題」として『地方行政』に連載しました(2002年7月~2003年4月)。
②それを単行本にまとめたのが、「新地方自治入門-行政の現在と未来」(時事通信社、2003年10月)です。

③「予算編成の変化」月刊『地方財務』2003年12月号は、右肩上がりの時代と現在とで、大蔵省の査定・各県や市町村財政課の査定が、どのように変わったか。私の体験を踏まえて、論じてみました。
若い職員には信じられないでしょうが、かつては「要求基準前年度比150%」という時代があったのです。プラス50%ですよ。財政課のステイタスも高く、「財政課にあらずんば人にあらず」というような風潮もありました。中央政府においては、もっと極端だったそうですが。今なお、そんな俗説を信じている人(マスコミ)もたくさんいます。その「神話」を検証してみました。各地方団体の財政課員の皆さん、財政課に頭を下げている要求側の皆さん、一読してください。批判も、お待ちしています。予算査定の在り方を論じました。財政担当の方、ご一読ください。(東大での研究会では、これを基に、大蔵省や財政課の「予算を通じた権力」を議論しました。いつか、別にまとめたいと考えています。)(2003年11月28日)

「再チャレンジ支援施策に見る行政の変化」月刊『地方財務』(ぎょうせい2007年8月号
『地方財務』今月号に、再チャレンジ特集を組んでもらいました。私の他は、「再チャレンジ支援策の概要」(黒田岳士・再チャレンジ室企画官、旧経企庁)、「地域における若者の自立支援」(美濃芳郎・再チャレンジ室企画官、旧労働省)、「暮らしの複線化の推進」(森山誠二・再チャレンジ室企画官、旧建設省)、「交流居住、移住促進政策の推進」(菊地健太郎・総務省補佐、旧自治省)、「ささやかですが、北海道から新たな『日本の笑顔』を創ります」(大山慎介・北海道庁主幹)です。すごい執筆陣だと、思いませんか(自画自賛)。
なぜ『地方財務』で再チャレンジを、という疑問をもたれた方もおられるでしょう。しかし、私は、出納簿の計算を合わせることや、歳出を削ることが、財政ではないと考えています。財政は手段であって、目的ではありません。数字合わせなら、電卓に0.9を定数として入れて、すべての支出にかければいいのです。
今の職場で、行政の新しい形を考える機会をいただきました。中でも、地域の若者を育てること(美濃論文)は、地域と自治体の最大の使命です。「新地方自治入門」に書いた、「モノの20世紀から関係の21世紀へ」の代表例です。しかも、そんなに多額のお金は、必要ありません。市町村の財政担当者や企画担当者に、一緒にこれからの自治体を考えて欲しいのです。「?」とお思いの方は、拙稿をお読みください。次のような内容です。
1 再チャレンジ支援策の目的
2 行政の変化
(1)対象、(2)手段、(3)評価、(4)手法、(5)役割
3 再チャレンジ支援があぶり出したもの
(1)単線型社会、(2)外部に冷たいムラ社会、(3)仕事優先
4 地方団体の役割
(1)社会の大転換と行政、(2)地方団体への期待
なお、これまでの行政とこれからの行政の違いを、簡単な表行政の変化にしてあります。
(2007年8月3日、12月31日)

2 省庁改革
①平成10年から3年間、内閣に出向し、省庁再編を担当しました。その内容を「省庁改革の現場から」にまとめました。2001年に行われた省庁改革の概要のほか、国家行政機構のあらまし、政治と行政(政と官)の在り方などを解説しています。
②「中央省庁改革における審議会の整理」は、2001年の省庁改革に併せ、審議会を大幅に整理した際の考え方をまとめたものです。
永年批判があった審議会を、211から90に半減しました。そのほか、審議会についての問題点や論点も、網羅してあります。審議会を考える際には、役に立つと思います。これも、類書が無いと思います。

3 行政構造改革
連載「行政構造改革-日本の行政と官僚の未来」月刊『地方財務』(ぎょうせい2007年9月号から

行政改革の現在位置~その進化と課題」年報『公共政策学』第5号(2011年3月、北海道大学公共政策大学院)
北海道大学公共政策大学院の年報『公共政策学』に、拙稿「行政改革の現在位置~その進化と課題」が載りました。抜き刷りも送っていただいたので、関係者に送る準備をしているのですが。インターネットでも読めるのは、便利なものですね。宮脇淳先生から執筆依頼を受け、長年温めていたテーマを論文にしました。詳しくは、「行政改革の分類」のページへ。(2011年4月29日)

連載社会のリスクの変化と行政の役割月刊『地方財務』(ぎょうせい)2010年10月号から2011年4月号。中断中。

4 大震災と復興
東日本大震災 復興が日本を変える2016年、ぎょうせい

「地震・原発災害からの復興と地方自治」
日本地方財政学会編『地方分権の10年と沖縄、震災復興』(2012年、勁草書房。地方財政学会年報)
2011年9月に行われた、地方財政学会のシンポジウムの記録です。私も、パネリストを務めました。(2012年3月15日)

「被災地で考える「町とは何か」~NPOなどと連携した地域経営へ~」
(共同通信社のサイト「47ニュース、ふるさと発信」2012年8月31日)
「NPOと行政の関係を、書いてください」という注文でしたので、いま携わっている復興の仕事を通じて、考えていたことを書きました。
今回の大震災では、津波によって、町そのものが流された地域が多くあります。すると、ほぼゼロの状態から町を復旧しなければなりません。その過程を通じて、町には何が必要かがわかります。すなわち、町は何から成り立っているかが、見えてくるのです。そして、阪神淡路大震災と今回の大震災で、復興のために何が違うかが、見えます。道路や住宅を再建しただけでは、住民の暮らしや町の賑わいは、戻らないのです(第1章)。
第2章では、その観点から、行政学や財政学に議論を広げて、行政の役割の変化を論じました。最近書いていた関係する文章を再考してまとめたので、近年のいくつかの拙稿が基になっています。これらを読み返してみて、近年は同じようなことを、一つの共通する視点で考えていたことに気づきました、
第4章では、被災地での、NPOの活躍を紹介しました。リンクを張ってあるので、詳しく見る際には、便利ですよ。少ししか事例を紹介できなくて、申し訳ありません。いずれ、体系だって整理するように、NPO連携班の諸君が努力中です。
ディスプレイ上で読むには、結構な分量です。印刷して、ゆっくりお読みください。(2012年8月31日)

「東日本大震災からの復興―試される政府の能力」、日本行政学会年報
拙稿「東日本大震災からの復興―試される政府の能力」が載った日本行政学会編『東日本大震災における行政の役割』(年報行政研究48、2013年5月、ぎょうせい)が発行されました。この本は、日本行政学会の年報です。2012年の総会・研究会での発表を基に特集が組まれ、冒頭に拙稿を載せていただきました。行政学の大家と並べてもらい、とても光栄なことです。
発災以来2年間の取り組みと、それから得られた教訓を整理しました。行政学会なので、政府が何をしたか、何が変わったか、何を変えなければいけないかの視点を盛り込んであります。
副題も、千年に一度の津波と過去に例のない規模の原発事故災害を踏まえ、「試される政府の能力」としました。このような報告も、実務に携わり責任を担った官僚の務めだと考えています。
A5判で18ページの小論ですが、短いが故に執筆には苦労しました。書きたいことをたくさん削除し、かつ全体像をバランスよく書く必要がありました。他方、全体像をつかむには、読みやすいと思います。
目次は、次の通りです。
1 災害の特徴と復旧の現状
(1)被害の特徴、(2)効果的な救助と早い復旧、(3)復興への課題
2 政府の取り組みと民間の貢献
(1)生かされた経験と経験のない取り組み、(2)地方自治体による応援、(3)民間の活動
3 救助と復旧から見える日本の行政
(1)国土の復旧から生活の再建支援へ、(2)試される政府の能力、(3)大震災によって見えた日本社会

私の他に、飯尾潤先生が「東日本大震災に対する復興政策:構想と論点」、室崎益輝先生が「東日本大震災から見えてきた減災行政の課題」、森田朗先生が「東日本大震災の教訓と市民社会の安全確保」を、執筆しておられます。筆者の立場と視角が異なると、違ったものが見えてきます。これだけの大きな災害であり、いろんな観点からの考察が必要です。拙稿と合わせて読まれることを、お勧めします。(2013年5月14日)

(地方財政学会年報)
日本地方財政学会編『原子力災害と地方自治体の財政運営日本地方財政学会研究叢書)』(2015年、勁草書房)が出版されました。2014年5月に福島大学で開かれた、日本地方財政学会第22回大会の特集です。シンポジウム「原子力災害と地方自治体」には、私も参加したので、少しだけ発言が載っています。(2015年2月28日)

「復興の現状と課題―未曾有の事態へどのように対応してきたのか」
地方自治体向けの月刊誌『地方財務』(ぎょうせい)2015年4月号に、「東日本大震災から4年―復興へのあゆみと地方創生のヒント」を、特集してもらいました。次のような内容です。
1 復興の現状と課題―未曾有の事態へどのように対応してきたのか 小生執筆
2 福島復興の加速化―地震、津波、原子力発電所事故の三重災害からの復興 田谷聡・福島復興局長執筆
3 被災自治体への財政支援及び人的応援 海老原諭・復興庁参事官執筆
4 「新しい東北」の創造―産業・生業の再生、コミュニティ形成への新手法 小川善之・復興庁参事官補佐執筆
5 企業の力で産業・コミュニティを復興する 藤沢烈さん執筆
長尾編集長の指示により、自治体職員向けに構成しました。そこで、4年経った時点での復興の現状と課題だけでなく、私の原稿では、これまでにない課題にどのように対応したか、そしてどのように組織を作ったかを書きました。岡本全勝と職員たちの、この4年間の努力=技と作品=苦労の記録です。これは今後、霞が関で新しい課題について新しい組織を作る際の教科書になるでしょう。同様に、地方自治体の幹部にも、参考になると思います。また、地方での現在の第一の課題である地方創生に関して、被災地で進めている「新しい東北」という地域振興の取り組みを紹介するとともに、行政だけではできない部分を民間の力をどのように活用するかを書いてもらいました。
拙稿は、次のような構成になっています。
「第一章 5年目を迎える復興」は、復興庁資料でも公表しているとおりです。「第二章 復興庁をつくる」が、これまでにない課題にどのように対応したか、そしてそのためにどのように組織を作ったかです。
それを、「明快な目標」「効率的な組織」「関係者の理解」の3つに分けて解説しました。私の苦労の整理です。「明るい官房長講座」あるいは「明るい総務部長講座」です。新しい組織作りに悩んでおられる方や、これまでにない課題に取り組む方に、お役に立つと思います。
一 5年目を迎える復興
1 天災と原発事故、異なる復興
2 現状と課題
(1)住宅再建とまちづくり (2)産業と生業の再生 (3)被災者の健康と生活の支援 (4)原発事故からの復興 (5)新しい東北の創造
3 今後の見通し
(1)復興の完了を目指して (2)原発事故処理
二 復興庁をつくる
1 これまでにない課題にどう取り組んだか
(1)明快な目標=優先順位の設定と工程表の作成 (2)効率的な組織=組織作りと社風作り (3)関係者の理解=意思統一と国民の理解
2 新しい取り組み、新しい手法
(1)政府が行った新しい取り組み (2)企業やNPOとの協働
(2015年4月3日)

講演録やインタビュー

2013年8月7日   岡本全勝

(生活復興は行政とNPO、企業との協力で)
日経グローカル』8月5日号に、私のインタビューが載りました。表題は「生活復興、行政だけでは限界。NPO・企業と連携し知恵得る」です。インフラ復旧は行政は得意ですが、町の賑わいを再開するには、行政だけでは限界があります。住民や商店と地域のコミュニティのほかに、企業やNPOの役割が重要です。
もちろん、それらに任せっきりにするのではなく、行政も得意分野でお手伝いをします。社会を支える3つの主体(分野)が、協力するのです。その新しい試みに、挑戦しています。復興庁では、これまでも、ボランティア連携班企業連携班をつくって協力をしているほか、新たに「新しい東北の創造」に際しても、民間の力を活用しようとしています。
昨年8月にも、共同通信社のサイト「47ニュース、ふるさと発信」に、「被災地で考える「町とは何か」~NPOなどと連携した地域経営へ~」を書きました。

雑誌への寄稿

2013年7月21日   岡本全勝

(広報誌への寄稿)
富山県のIT企業であるインテックの広報誌「インターリンク」2013年4月号に、「復興への企業の貢献」を寄稿しました。その場を借りて、救助や復興での企業の貢献に、お礼を申し上げました。
中尾哲雄代表に求められて、書きました。かつて富山県庁に勤めたときに、お世話になりました。拙文にも書きましたが、中尾さんが歌われる後ろで、フルートを吹くという無謀なこともしました。なんと、新川文化ホールでです。もちろん、私一人ではなく、難しいところは息を吸っていました(苦笑)。

続・進む三位一体改革

2012年10月3日   岡本全勝

「進む三位一体改革(3)」月刊『地方財務』2005年6月号所収
進む三位一体改革-評価と課題(月刊『地方財務』2004年8月号、9月号)の続きです。16年度中の動きを解説してあります。訂正です。p121上段7行目「同等部会」は「合同部会」の間違いです。(6月2日)

  目次
はじめに
第六章 平成一七、一八年度の「全体像」決定
1 地方案の決定
(1)経過 (2)戦う知事会 (3)概要
2 政府での協議
(1)国と地方との協議 (2)各省の抵抗 (3)財務省による「攪乱」 (4)総務省の提言 (5)与党との協議
3 政府案決定
(1)概要 (2)地方案との違いと残されたこと
4 平成一七年度分
(1)国庫補助金改革 (2)税源移譲 (3)地方交付税 (4)その他 (5)累計
5 評価
(1)地方団体の反応 (2)新聞の論調 (3)評価その一ー実現度 (4)評価その二ー過程 (5)一六年度予算への反省の成果
第七章 三位一体改革の位置付け
1 地方分権としての評価
(1)短期 (2)中期 (3)戦略論
2 政治改革としての評価
(1)政治権力論 (2)政治構造論
第八章 これから
1 三位一体改革に残されたこと
(1)平成一七年の動き (2)中長期課題
2 その次の地方行政
(1)自治の運用の充実 (2)地方財政の新たな地平
あとがき

「進む三位一体改革(4)完」月刊『地方財務』2006年7月号
17年度中の動きと成果、4年間の成果と評価、これからの課題を書いてあります。82ページにわたる大作です。これで、三位一体改革第1期の解説と、アジテーションはひとまず完結です。
今回も、財政改革だけでなく、政治改革として分析しました。三位一体改革がなぜ進んだか、なぜ進まなかったか。他の改革や、現在の進行状況と比べて、要因を分析してあります。この間、いろんな方と議論しました。また意見を聞いてもらいました。その点では私の論文というより、私に論戦を挑んだ記者さん、学者の皆さんや国会議員さんとの合作です。私としては、類例のない論文と自負しています。ぜひ、お読みください。
早速訂正です。p114資料37の注4で「30.094億円」とあるのは「30,094億円」の間違い、注5で「7.393億円」とあるのは「7,393億円」の間違いです。(7月4日)

 目次
はじめに
第九章 三位一体改革の達成
1 平成一七年度の経過
(1)骨太の方針2005 (2)地方案の決定 (3)義務教育国庫負担金の扱い (4)生活保護の扱い (5)施設費の扱い (6)政府案の決定へ
2 政府案
(1)概要 (2)地方案との違い (3)評価
第一〇章 三位一体改革の成果
1 過程
(1)経過 (2)なぜ進んだか
2 成果の全体像
(1)補助金改革 (2)税源移譲 (3)交付税改革 (4)その他の項目 (5)波及効果
3 評価
(1)個別目標について (2)目的に照らして (3)政治へのインパクト (4)見えてきたこと (5)全体像についての評
第一一章 今後の課題
1 第二期改革にむけて
(1)第二期の課題 (2)現在の動き (3)どこへ向かうのか
2 地方財政改革の将来
(1)財政再建 (2)分権と自律 (3)戦略
あとがき

(その後)
この連載を1冊の本にしようと作業をしていましたが、挫折しました。時機を失してしまったのです。
その代わりとして、次の2論文に要約してあります。そちらをご覧ください。(2007.9,22)

「地方財政の将来」神野直彦編『三位一体改革と地方税財政-到達点と今後の課題』(2006年11月、学陽書房)所収は、三位一体改革の到達点を踏まえ、今後の課題と進め方を解説しました。
構成と執筆者は、次の通りです。意義と課題(神野先生)、経緯(佐藤文俊総務省自治財政局財政課長)、到達点・国庫補助負担金の改革(務台俊介前調整課長)、同・地方税の改革(株丹達也前自治税務局企画課長)、同・地方交付税の改革(黒田武一郎交付税課長)、地方財政の将来(私)です。

「三位一体改革の意義」「今後の課題と展望」『三位一体の改革と将来像』(ぎょうせい、2007年5月)所収
第1章総説の第1節「三位一体改革の意義」と第4節「今後の課題と展望」を、私が執筆しました。一部、「地方財政の将来」(神野直彦編『三位一体改革と地方税財政』学陽書房所収)と、重複している部分があります。ただし、今度の論文には、年表(目標の設定と達成度)や税目別税源配分の表なども、つけることができました。早速訂正です。p6の11行目、「その要因の2つは」とあるのは、「その要因の1つは」の間違いです。

先日、行政学の泰斗(私の行政学のお師匠様)とお話ししていたら、「必要があって、岡本君が書いた「進む三位一体改革」(月刊『地方財務』連載)を読んだけど、やたらと長かったね」とのお言葉。
「先生、すみません。あれは、関係者向けの実況中継だったんです。一冊の本にまとめるときは、そぎ落とそうと考えていたんですが、時機を失してしまいました」とお詫びしました。その代わりと言ってはなんですが、今回の論文が、要約になっています。短くすると、本当に言いたいことだけになって、わかりやすくなっています、自画自賛です、はい。(2007年6月1日、3日)

(祝『地方財務』700号)
月刊『地方財務』(ぎょうせい)が、700号を達成しました。昭和29年(1954年)6月から、58年かけてです。
私が昭和30年1月生まれですから、その半年前ですね。それは全く関係ないとして、地方財政では、昭和29年度から地方交付税制度が始まっています。私が交付税課長の時(2001~2003年)に、「50周年記念をしなければ」と職員と議論していたことを、思い出しました。
記念論文として、小西砂千夫先生が、10編の論考を選んで、概要を紹介しておられます。半世紀以上の歴史を振り返り、代表的論文を選ぶことは、大変な作業だったと思います。小西先生、ありがとうございます。私にもう少し暇があれば、お手伝いできたのですが。
しかも、10編の中に、私の文章も選んでくださっています。「進む三位一体改革―その評価と課題」(2004年8月、9月、2005年1月、6月号)です。身に余る紹介をいただいて、恐縮です。その中で、小西先生は次のようなことも書いておられます。
・・できごとに対して、当事者がどのように反応したかを直接話法で表現しているところも、現役官僚の文章とは思えない斬新さを感じさせる。
論文の中で、「・・・と私は考えた」といった表現が散見される。それは、筆者が目の前の事象をどのようにみたか、何が論点であり、制度改正が実現するうえでどこが転換点であったかなどを、一人称でリアルに書こうとしているからである。そのような鋭い論評がちりばめられていることが、他の岡本論文にも通じる魅力である・・
この原稿は、交付税課長を終え、官房総務課長で国会を走り回っている頃に書いたものです。当時は、このホームページで、毎日実況中継していました(6 三位一体改革の記録)。振り返ると、懐かしいですね。書いておけば残ります。
後に、西尾勝先生から、「必要があって、岡本君が書いた『進む三位一体改革』を読んだけど、やたらと長かったね」との「おしかり」をいただきました。たぶん、先生が『地方分権改革』(2007年、東大出版会)を書かれる際のことだと思います。私は、「先生、すみません。あれは、関係者向けの実況中継だったんです。一冊の本にまとめるときは、そぎ落とそうと考えていたんですが、時機を失してしまいました」とお詫びしました。そんな思い出もあります。
さらにその後、私は内閣官房や官邸の仕事が主になって、地方財政から離れました。
(2012年10月3日)

雑誌への寄稿

2012年7月2日   岡本全勝

「皆さんの働きが、社会を変えます。官・共・私が支える社会へ
「東北復興新聞の巻頭言」(2012年7月2日)
東北復興新聞に、巻頭言を寄稿しました。この新聞は、東北復興に携わる人たちの情報共有のための新聞(紙とインターネット)です。
阪神淡路大震災は、後に「ボランティア元年」として記憶されましたが、今回の大震災では、さらに組織ボランティア(NPO)と企業の大きな役割が認識されたことが特徴だと、私は考えています。また、これを機会に、復興の場で、NPOや企業と連携し、いかにうまくまちと暮らしを復興させるかを考えています。誤解を恐れずに言うと、これからの「公」の新しい形をつくる実験の場と考えています。それは、行政が自らの限界と、得意分野への集中を考える場でもあります。そのような趣旨を、書きました。