カテゴリーアーカイブ:社会の見方

外国人が好きなコンビニエンスストア

2023年9月13日   岡本全勝

9月8日の日経新聞に、中村直文・編集委員の「訪日客は何しにコンビニへ? 「うまい」日本を再発見」が載っていました。

・・・日本のどこへ行っても外国人であふれかえっている。東京や大阪、京都などはもちろん、地方都市でもインバウンド(訪日外国人)が目立つ。彼らが決まって利用するのがコンビニエンスストアだ。目を輝かせながら品定めする外国人を見ると、なぜか誇らしげな気持ちになる・・・

詳しくは、本文を読んでいただくとして。
コンビニで売れているのは、菓子類(駄菓子は日本独特と聞いたことがあります)、サンドイッチ(日本のような柔らかいパンのは、海外にはあまりないのだそうです)。

外国人が驚いたものに、次の3つが上げられています。
・温水洗浄便座や排便音を隠す機能を備えたトイレ
・真ん中で割ると手を汚さずにジャムなどが塗れる容器
・エレベーターで行き先階を間違えたとき「ダブルクリック」で取り消せるボタン

ごみ処理の意識の変化

2023年9月7日   岡本全勝

8月19日の日経新聞首都圏版「東京とごみ」、細田衛士・東海大学教授の発言から。

――東京都内の清掃行政の転換点はいつでしたか。
「1971年の美濃部都政での、ごみ戦争宣言だ。住民はごみを出せば都の清掃局がすぐに片付けてくれるのが当然だと思っていた。行政も出たごみを素早く粛々と処理する保健衛生的な発想が清掃行政の主眼だった」
「高度経済成長期は『ごみは文明のバロメーター』と言われていた。豊かさとは、ごみをたくさん捨てることだった。しかし、実態は焼却や埋め立てといった過程がある。住民と行政との対話でごみ問題を『片付ける』という象徴的な出来事がごみ戦争宣言だった」

日本の大学は社会から期待されていない

2023年9月6日   岡本全勝

8月19日の日経新聞「教育岩盤・突破口を開く」、吉見俊哉・国学院大教授の「「若者だけの大学」脱却を」でした。

社会人に学び直しが求められる時代を迎えた。社会学者の吉見俊哉・国学院大教授は大学は若者が社会に出るための「通過儀礼」から脱却し、新しい価値を生み出す力を育む手助けをする存在になるよう訴える。

――学び直しは必要ですか。
「人生で大学には3回入るべきだ。高校卒業後の18〜21歳、30〜40代、50〜60代にそれぞれ大学に入ることを勧めたい。30〜40代は仕事に慣れ管理職に進むか別の道に挑戦するか考える時期。50~60代は定年後のキャリアを描く時期。人生を選び直す好機だ」
「経済成長が限界を迎え、職場内の人材育成が機能しなくなっている。大学は人生の『マルチステージ』をつなぐ役割を果たして欲しい。硬直化した労働市場に変化が生まれるはずだ」

――学び直しで大学を選ぶ人は多くありません。
「日本の大学は社会から期待されていない。入試と就職の間の『通過儀礼』と捉えられている。入試で測られる偏差値は企業から信頼されているものの、大学で学ぶ効果はよく分からないと思われている」

天気予報に見る一国主義

2023年9月5日   岡本全勝

今年も、日本列島を台風が襲い、大きな被害と社会生活の混乱をもたらしました。天気予報が発達し、台風がどこにいるか、このあとどのような方向に進むかの予報もきめ細かくなされます。現地からは、映像が伝えられます。

それを見て、思うことがあります。今年の台風6号は、沖縄付近で停滞し、九州を北上しました。皆さんも、記憶に新しいことと思います。
ところで、この6号はその後、韓半島を北上したのです。しかし、日本の天気予報もニュース番組も、台風が日本列島から離れると、取り上げることはなくなります。
台風が南の海で発生したことは、天気予報が知らせてくれ、その後の予報進路も伝えてくれます。そのいくつかは、日本に来ることはありませんが、台湾などを襲うことがあります。それらも、日本では詳しく伝えられません。

海外旅行に行ったときも、東南アジアやヨーロッパでは、天気予報はその国だけでなく、周辺の国も含めた天気図であり、予報になっています。地理的に、気象的にそうせざるをえないのでしょうが。
日本人が、日本のテレビや新聞を見ている限り、近隣諸国に思いをいたすことはなく、自国のことだけを考える癖がつくようです。

BRICS、恨みが共通軸

2023年9月3日   岡本全勝

8月30日の日経新聞に、ジャナン・ガネシュさんの「BRICS、「恨み」が共通軸 権威に憧れや承認欲求も」というファイナンシャルタイムズの記事が転載されていました。

・・・ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ(BRICS)によるサミット(首脳会議)が8月下旬、南アフリカで開催された(編集注、サウジアラビアやイランなど6カ国が新たにBRICSに参加することが決まった)。これらの非西側諸国をまとめている理念、あるいは戦略的な利益はあるのだろうか・・・

・・・BRICS、またはグローバルサウス(南半球を中心とする途上国)はどのような枠組みを標榜しているのだろうか。もし自由貿易に積極的でない場合、世界最大の輸出大国である中国は参加国としてこの問題にどのような立場を取るのか。
いずれの問いも適切な答えは見つからないはずだ。なぜなら、多様なBRICSの国を結びつけている共通点があるとすれば、それは「恨み」だからだ。西側の優位に対する怒り、過去の屈辱に対する鬱憤だ。そして、政治と人生を突き動かす力として、恨みはあまりにも過小評価されている。
膨大なエネルギーを生み出すとされる核融合に取り組んでいる物理学者には失礼かもしれないが、活用可能となった場合に宇宙で最も強力なエネルギー源があるとすれば、それは人間の恨みだと筆者は考える。

哲学者のニーチェは恨み(ルサンチマン)が世界を動かしていると論じた(ニーチェは第1次世界大戦の敗北で募った恨みがナチスドイツの台頭へとつながり、同胞のドイツ人を暴挙に駆り立てたことは見届けられなかった)。
ソ連時代から縮小した帝国となりルサンチマンを抱えていることを知らずして、現代ロシアは理解できない。
地政学から個人へ視点を移すと、恨みはさらに多くのことを引き起こしてきた。例えば、多くのポピュリスト(大衆迎合主義者)の指導者が、相対的にアウトサイダーといえる存在であることに注目すべきだ。
こうした指導者は大抵の基準に照らせば恵まれてきたが、「仲間」だとみられたい層からは疎んじられてきたと感じてきた・・・

・・・恨みは憎しみと同じではない。憎む人は、憎しみの対象と一切関わりを持ちたくない(国際テロ組織アルカイダの西側に対する態度を思い浮かべるといい)。
対照的に、恨む人は恨んでいる対象に半ば興味を持っている。ファラージ氏は明確に、罵詈(ばり)雑言を浴びせるエスタブリッシュメント(支配層)から承認されたいと思っている。
同様に、BRICS諸国のエリート層はロシア人に限らず、英ロンドン、南仏コートダジュールの高級保養地、フランスとイタリアの高級品、米国の大学をよく利用する。
ロシアのウクライナ侵攻に関する世界的な世論調査から判断すると、世界の大部分は西側のことを傲慢で偽善的だと考えている。一方で、西側は世界の大部分の人が移住したいと思っている場所でもある・・・