2002年欧州探検記2(ドイツ編)

ドイツ編
25日(水曜日)(ドイツ、イッセブルグの古城ホテル
今日は、ロンドンへ移動し、飛行機でデュッセルドルフへ。そこからバスでイッセブルグ市へ。この町はデュッセルドルフの北80キロにある町。もう、オランダに近い。イギリスとの時差が1時間、ということで日本とは7時間の時差になる。
今日到着したイッセブルグは、田舎町。今日の宿舎のホテルは、お城を改装したもの。堀に囲まれた立派な城。中はきれいになっている。調査対象都市と一緒に、大阪市のデュッセルドルフ駐在の中平氏が選んでくれた。これなら、フルートを持って来るんだった。中庭で「荒城の月」を吹けば、気持ちよかっただろうなあ。(聞かされる人は迷惑だが)
町を散歩した。小さな町だが、一つ一つはきれいな住宅。庭もきれいにしている。四角に区画されている訳ではないが、各家が整然としていて、町全体もきれい。でも、何の職業で食っているんだろう。核家族とのことだが、家はどう相続されるんだろう。
26日(木曜日)(ドイツ、デュッセルドルフ)
今日は、イッセブルグ(Isselburg)で調査。人口1万人の町。3つの町が1975年に合併してできた。で、集落が3つあり、農地と林の中にこの3つの町が離れて存在している。
10時から13時30分まで。市長さん以下幹部が4人総出で対応してくださる。しかも熱心。日本から来た初めての調査団、と言うより初めての日本人だろう。ついつい時間が超過する。写真2
途中で、地元新聞3社の取材を受けた。翌日の新聞に大きく写真入りで掲載された。
ドイツの町
1 外部委託
財源難とのことで、委託を進めている。
民間会社へ:ゴミ集め、スポーツ施設の管理。
隣町へ:高校(これは昔から)
ボランタリーグループへ:幼稚園(これは、教会とグループと)、託児所、スポーツ施設の管理。
人口が少ないので(1万人)、高校はない。隣町の高校に通っている。経費について、委託料は今までは払ってないが、隣町も財源難で、払えと言われている。
幼稚園の経費は、10%を町が負担するルールとのこと。何かの規定で決まっているらしいが、イッセブルグは10%以上支出しているという。
「日本では、ボランタリーグループへの委託がまだ少ない」と言ったら、市長が「グループに継続してもらうためには、それなりの努力が必要である。常に啓発しなければならない。この方が経費も少なくてすむことを住民に理解してもらわなければならない」と、力説していた。
2 滞納対策
市税の滞納率は15%もある。滞納整理に車の「使用差し止め」をしている。すなわち、催告してだめなときは、車に赤いステッカーを貼る。それでもだめなときは、タイヤにタイヤ止め(金属の棒を組み合わせたもの)をして走れなくする。近所の手前、恥ずかしさが一番効果があるとのこと。交通違反の取り締まりの時に、罰金の未納に使っているのを、使っているんだという。私たちが興味を示したので、わざわざやって見せてくれた。
3 議会
イッセブルグでも、議員は名誉職。年間、議会は本会議6回、委員会16回。午後5時から、2時間半から3時間。議会費(手当)の総額を議員総数で割ると、1人あたり36万円だった。日本の市町村では、議員さんは報酬年間5百万円とか1千万円のはず。
4 まちづくり
町並みの美しさ、風景の美しさは、どこからくるのだろう。日本と何が違うんだろう。
まずは、土地が広い。農地が広くてきれい。しかし、狭い日本の方が、集落が集中していない。田圃の真ん中に家があったりする。
都会の集中度はこちらの方が大きい。ロンドンは別格としても、東京は山手線の中が平均2階建てに達しないと聞いたことがある。こちらは、都会では、3階4階建ては当たり前。庭もない。しかし、公園や緑地と街路樹の緑の空間が大きい。建築物が密集しているからこそ、そのような空間を確保しているのだろう。
電柱と電線が無いことも、風景がきれいな理由の一つだろう。
イッセブルグのような田舎町でも、都市計画は重要、かつみんなの関心が高く、厳格らしい。家は、屋根の傾斜角度や外壁の色が規制されている。セント・アルバンでも、都市計画の認可が、議会(市)の重要な議題であった。一つ一つの許可を、議会で審議し、傍聴者も多いとのこと。