一昨日から連載している「お詫びの仕方」の付録です。
お詫びの会見に備えて想定問答を作るといいましたが、これは記者会見の場で使うものではありません。数字や事実を確認するために見ることはあっても、質問に答える際に、そんな紙を見ている暇はありません。一通りの答は、頭にたたき込んでおく必要があります。その場で紙を見ているようでは、「あ、この人カンニングペーパーを見ている」と思われ、信用をなくします。分厚い資料を用意させ、それを会見場に持ち込む人がいますが、意味ないですね。
横から資料を差し入れる部下がいますが、これもよくないです。「上司ができが悪いので、部下が支えています」と見えます。必要なら記者会見している者が「ちょっと待ってください、間違いがないか確認しますから」と言って、部下を呼べばいいのです。それくらいは、記者達も待ってくれます。
説明の際に必要な数字、聞かれそうな数字なら、読み上げるのでなく資料を配付すべきです。
また、部下職員・担当者を横に座らせて「その点については担当者から答えさせます」というのも、よくないです。責任者なら、ほぼすべてを一人で答えるべきです。技術的なことで専門家に説明させることはあるでしょうが、聞いている人は記者であり一般市民です。その人に分かるように説明できないようでは、責任者として失格でしょう。
昨日の「厳しいことを言ってくれる部下はありがたい」という記述について、読者から指摘がありました。「真実を語ってくれる部下、都合の悪いことを知らせてくれる部下も、ありがたいですよ」と。その通りですね。
「岡本さんの図上演習は、いつも風呂の中ですか(笑い)」という質問もありました。うーん、そうですね。お風呂の中は邪魔が入らずに、ゆっくりと考えることができるのです。また、記者会見の前の日は、お風呂に入りたっぷりと睡眠を取って、体調万全で臨むこととしていました。お詫びの会見は、入学試験より緊張しますよ。しかも、たくさんの人に見られているのです。全人格で勝負しなければなりません。体調不良では、良い受け答えができません。