子ども食堂を被災者支援拠点に

2026年10月24日   岡本全勝

10月17日の読売新聞「子ども食堂 被災者支援拠点に…炊き出し、孤立防ぐ交流も」から。

・・・子ども食堂を災害時に被災者を支える防災拠点とする動きが広がっています。大量に調理できる利点を生かして炊き出しを行ったり、被災者が孤立しないよう交流の場を作ったりできるからです。地域に根付いた活動だからこそ、きめ細かな支援ができると期待されています。

「防災食を配っています。いかがですか」
9月19日昼頃、浜松市の市防災学習センター入り口で、市内で活動する子ども食堂のスタッフが声を張り上げた。認定NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(東京)などが企画した炊き出し訓練だ。市内2か所の子ども食堂のスタッフ12人が参加し、缶詰など長期保存できる食材だけを使って弁当とスープを200食分作った。アレルギーを持つ人も安心して食べられるよう、缶詰や調味料のパッケージを並べて原材料を確認できるようにした。

子ども食堂は、子どもたちに無料や低価格で食事を提供する。多くは地域のボランティアが公民館や自宅、寺などで運営する。子どもの支援だけでなく、住民同士の交流の場としても機能している。むすびえによると、全国に1万2602か所(昨年度)ある。
むすびえは2019年から、各地の子ども食堂に防災拠点になってもらおうと呼びかけている。平時から地域に根ざして活動しているため、自治体や社会福祉協議会などと連携を取りやすく、被災者のニーズに応じた支援を行えるからだ。被災直後の炊き出しだけでなく、支援物資や復興ボランティアを取りまとめたり、被災者同士の交流の場を提供したりすることも想定されるという。
災害時に支援を行うには、普段からの備えが必要になる。
むすびえは20年に防災マニュアルを作成し、全国の子ども食堂に、懐中電灯や救急箱など備品の確認や避難訓練の実施を呼びかけた。40都道府県で研修も行い、自治体職員らと協力して被災者への支援策を考えてもらった。研修を担当する防災士の森谷哲さん(50)は「関係団体と顔見知りの関係を築けるようサポートしたい」と話す。

自治体が子ども食堂と協定を結び、災害時の支援を要請するケースも増えている。
愛媛県宇和島市は昨年2月、市内22か所の子ども食堂で作る連絡協議会と協定を結んだ。市の要請に基づき、避難所での炊き出しや、子どもたちの居場所づくりをする。食材費などは市が負担する。協議会の窓口を担うNPO法人「ユーグランマジャパン」の松島陽子・代表理事(61)は「平時から危機意識を共有することで、いざという時も連携しやすい」と語る。
福井県敦賀市やさいたま市も、地元の子ども食堂のネットワークと同様の協定を結んでいる・・・