「身長も人間関係も小さくなる日本」の続きです。
・・・フィジカルなスリム化に加え、気になるのが若い世代の人間関係。スマートフォンを駆使するデジタル社会は人間関係を広げるのかと言えば、そうでもない。博報堂生活総合研究所「若者30年変化」は若い世代の狭くなる交友関係を浮き彫りにしている。
「友達は多ければ多いほどいい」と答えた若者の割合は94年には31.9%だったが、2024年はわずか10.3%。交友関係を性別に見ると「自分にとって居心地のいい組み合わせは同性か異性か」という質問に94年は同性が25.5%だったが、24年には64.8%へ急上昇している。
そしてこの30年で存在感が高まった人生の相談相手は母親だ。大学を出て、就職も経験してきた母親を博報堂生活総研では「メンター・ママ」と呼ぶ。学校の先輩や会社の上司より愛情深く、社会経験も豊富なママは最強の存在なのだ。
若い世代といっても千差万別。だが若者の生態を研究する金沢大学の金間大介教授は約半数を占めるボリュームゾーンについて「世界観が狭いのが特徴で、大学や会社で気にするのは同世代の動き。上司の考えなど気にならない」と指摘する。理由は安定志向だ。
「人前で褒められるのも嫌がる。目立つと同世代の輪から外れてしまうことを恐れるからで、とにかく安全と安心度の高い人生を送りたい」(金間教授)。日本経済に期待はなく、政治への関心も薄い。やりがいや生きがいも求めない。あくまで自分事に関心を持つ。
上の世代からは実に薄幸な姿にも見えるが、金間教授はその点を否定する。「先行きへの期待もなく、かわいそうな若者かと言えばそうじゃない。とても幸福感が強く、だからこそ今の多くの若者は無敵になる」。人生の選択をあらかじめ狭めているから強いのだ・・・
・・・狭くなっていると言えば都心部の住宅・・・
・・・日本経済の停滞がもたらした縮まり志向。それは精神論で変えられる流れではない。新たな現実と向き合い、強みや価値を見いだすしかない。小さく、コツコツと・・・