5月21日の朝日新聞に「日本人の孤独感、40年にわたり上昇 81研究を分析、「悪化」を統計的に確認」が載っていました。
・・・「孤独」は世界的に非常に差し迫った重要な社会課題と言われるが、日本でも実際に悪化しているのか。中央大学の研究グループが日本国内で過去に実施された研究を分析したところ、約40年間にわたり孤独感が上昇していることを確認し、専門誌に発表した。
孤独感は単なる個人の主観的な感情ではなく、心身の健康リスクを高める可能性が指摘されている。世界保健機関(WHO)の報告書によると、世界の6人に1人が孤独感に悩み、年約87万人の死亡の原因となっている。WHOは、孤独と社会的な孤立を、解決を急ぐべき深刻な公衆衛生上の課題と位置づけている。
日本も深刻化していると言われるが、長期的な変化はわかっていなかった。
そこで研究グループは、孤独感を定量的に評価するための指標(UCLA孤独感尺度)を使って日本で1983~2023年に実施された81研究のデータ(計約5万人が回答)を統合して分析した。
平均値の推移をみると、孤独感は約40年間で長期的に上昇していることが統計的に確認された。
青年期(中学生~大学生)、成人期、老年期(65歳以上)にわけたところ、とりわけ青年期で上昇していた。全体的には男性の方が女性より孤独感が高い傾向が見られるが、年々の変化をみると女性で上昇傾向が確認できた。新型コロナウイルス感染の流行前に比べて流行中の方が孤独感が高かったことも確認できた。
社会環境の変化の影響についても探った。単身世帯数やインターネットの利用時間のほか、経済的な豊かさを示すGDP(国内総生産)の増加は、孤独感の上昇と関連が見られた。また、平均の世帯人数や婚姻率の減少も、孤独感の上昇と関連が見られた・・・
血縁や地縁の希薄化、核家族化と単身者の増加、非正規労働者の増加など、一人暮らしで自由な生活を得たのですが、他方で孤独がやってきました。これは、連載「公共を創る」で取り上げている成熟社会の課題の一つです。他人とのつながりは面倒なものでもあります。スマートフォンによる便利なつながりは、多くの場合、深いつながりにはなりません。