科学者の知見の活用

イギリスやEUには、政府に首席科学顧問(Government Chief Scientific Adviser)が置かれているとのことです。イギリスのThe Government Office for Scienceのホームページ。どのような仕事をしているかは、リンク先をご覧ください。
8月2日の朝日新聞オピニオン欄は、EUの首席科学顧問のアン・グローバーさんのインタビューを載せていました。

原発事故について。
・・私は英国の首席科学顧問のジョン・ベディントン氏と一緒に対応にあたりました。情報収集はきわめて困難だった。理由の一つは、日本に首席科学顧問がいないから。もしいたら、即座に科学者のネットワークができ、情報交換や情報の批判的検討もできた。日本にとっても、助けになったと思います。世界中から最良の知識を持った科学者を探し出し、力を貸してもらえたでしょう・・

ベディントン氏が、事故直後に東京の英国学校長に学校閉鎖の必要はないと明言したことについて。
・・私たちは誰もが意見を言える場を作り、影響について議論しました。ベディントン氏がその情報を政府に持って行き、首相が証拠に基づいて決断したわけです・・

英国で狂牛病が広がったとき、政府は当初、人には感染しないと言ったが、後になって間違いだとわかった。このときは、英国の科学者も信頼を失った。どうやって、信頼を取り戻したのかについて。
・・私は、間違いを認めることによってだと思います。正直さがとても大事です。そして透明性です。当初は人に感染する証拠がなかった。それは事実です。その後の研究で、感染しうるとわかった。それで、我々は間違っていたと正直に伝えたわけです・・