4月21日の日経新聞「良品計画を変えた「個店経営」」から。
・・・生活雑貨店「無印良品」を運営する良品計画。美容品などがヒットし、株価は3年間で5倍になった。新型コロナウイルス禍以前から低迷していた業績を回復させた立役者は在庫コントロール部だ。各店舗が需要を逃さず不良在庫も出にくい売り場になった。
小売業界では、収益性を追求した小型店の都心出店が増えている。流れに逆行するような郊外大型店を裏で支えている部署がある。
22年8月、良品計画は在庫コントロール部を新設した。商品計画部内にあったコントロール課を部に昇格し、経営と現場をつないで横断的に在庫を管理する専門部署とした。部署の人数は非公開だという。発足の狙いは、全店舗の販売や在庫の方針を本部主導で決める手法から、各店舗が主体性を持つ「個店経営」への転換だった。
本部が策定した商品投入などの計画を踏まえ、各店舗が販売や在庫の計画を立てる。在庫コントロール部が経営計画と売り場を連動させ、過剰在庫や欠品を抑制して個店の収益性改善を支える。在庫コントロール部は個店ごとに販売・在庫計画のベースプランを作り、坪数に応じた標準の品ぞろえや売り場づくり、陳列数量などモデルレイアウトを共有する。個店の稼ぐ力を最大化する旗振り役だ。
個店ごとに不良在庫の削減を進め、スキンケア品など利益率やリピート率の高い新商品を投入した。陳列や動線も工夫した。需要予測の精度も高まり、セールでも欠品がないように在庫を確保して人気商品が売れる仕組みを整えた。
在庫回転率は改善している。21年8月期は1年間に2.19回だったが、25年8月期は2.36回に高まった。商品数が増加し、国内を中心に売り場面積が拡大するなかでも収益性が高まっている・・・