3月23日の朝日新聞に、「学校の通知表、世界と違う?」が載っていました。
・・・年度末になると手にする「通知表」。子も、親も、開くときにドキドキします。世界と日本の通知表について、佛教大の田中耕治客員教授(教育評価論)に聞きました・・・
―世界各地の通知表の特徴を教えてください。
米国カリフォルニア州では保護者が子どもの成績や学習状況をウェブ上で確認できます。途中経過も見られる仕組みになっていて、子どもが学年末の基準をどの程度、習得しているのかが分かるようになっています。
スウェーデンで通知表にあたるのは「個人発達計画」と呼ばれ、低学年の子どもの成長や学習の進み具合を記録することが重視され、高学年では、その記録は進学資料となります。
オーストリアの通知表には「資格証明」が含まれます。たとえば「5年生の内容を理解した」ことを、校長や担任の教師が署名して証明します。進学の成績証明としても利用されます。
通知表に成績が書かれていないのは韓国の初等学校(小学校に相当)です。全国共通の様式である「生活通知表」は、生活面や行動特性などの生活記録が中心です。学校内での暴力に関し、処罰があった場合は記載が義務化されています。処罰を受けた場合、多くの大学に入学できません。
―通知表の役割はどうあるべきでしょうか。
欧州では進級や進学にあたって、その学年にふさわしい学習内容を「修得」できたかどうかを重視します。
日本は「競争」と「序列化」の圧力が強いように感じます。本来、子どもの成長や発達の記録を家庭に伝え、学校と家庭が協力して子育てすることを促すものです。
通知表は「他の子と比べる」ものではなく、「自分の子が、どこまでできているか」「どんな成長をしているか」を知るための記録です。数字だけにとらわれず、成長や発達の過程に目を向けることが大切です。
―日本の通知表は、いつから始まったのですか。
明治初期に学校と家庭の連絡簿として始まり、学籍簿制定の1900(明治33)年ごろに「成績欄」「出欠の記録」「学校家庭通信」などを備えた今に通じる通知表がつくられました。大正時代に入ると、学歴社会の高まりで成績重視に変化しました。相対評価の導入は戦後です。