昨年10月11日に再チャレンジ室が発足してから、1年が経ちました。職員のみんなには、大変な苦労をかけました。1年が経って、こう言えますが、走り出した頃の毎日は、それはそれは大変だったのです。机もパソコンもない部屋に、職員を集めたのが、その日でした。「再チャレンジって何」という職員ばかりでした。私が、東大大学院授業から、突然「帰ってこい、指示がある」と内閣官房から言われたのが、10月5日です。
正確には、昨日が1周年です。今日366日目に、「大1周年記念大会」を、銀座で開催しました。といっても、ささやかな飲み会です。OBも参加してくれて、すごく盛り上がりました。このような会は、苦労の数ほど盛り上がります。それぞれのスピーチで、何が大変だったかを述べてもらいました。やはり、「最初、今どこに私たちがいるか、どちらに向かっているかが、分からないのがつらかった」というのが、共通の感想でした。その後、2か月でプランをまとめ、法律改正の道筋をつけたことで、落ち着いたとのことです。方向がわかれば、官僚はちゃんと仕事を進めてくれます。
職員が述べた不安と不満は、室長としてよく理解できます。私自身が、当時、どちらに向かうか、わからなかったのですから。でも、管理職って、こんなことは珍しくありません。県庁の財政課長、総務部長の時は、もっと、わからないことだらけでした。そんなときは、部長や副知事、最後は知事に、確かめに行きました。私の思っていたとおりだったら「安心」、そうでなかったら「良かった、直ちに方向転換」、上司もよくわかっていなかったら「これまた安心」でした。その点では振り返って、「最初の2か月の舵取りは、間違っていなかった」と自己評価しています。誰も評価してくれませんがね。でも、県庁と違って、官邸と霞ヶ関との距離感の難しさを、実感した1年でした。共に苦労してくれた職員が、これからの仕事に、この経験を生かしてくれれば、仕事(上司)冥利に尽きます。