事例研究の危うさ

高野陽太郎「日本人論の危険なあやまち」」の続きになります。高野陽太郎著「日本人論の危険なあやまち 文化ステレオタイプの誘惑と罠」 (2019年、ディスカヴァー携書)に、次のような話が出ています。64ページ。

日本人の代表として野球の大谷翔平選手を出し、アメリカ人の代表として俳優のトム・クルーズさんを出します。これは、多くの人が納得するでしょう。
そして二人の身長を比べます。
大谷選手は193センチ、トム・クルーズさんは170センチほどだそうです。これで、日本人の方がアメリカ人より背が高いと、結論づけて良いのでしょうか。

高野先生は、いくつも「都合の良い事例」「変な証明」を取り上げて、日本人論のおかしさを指摘しています。