小西砂千夫関西学院大学教授が、「地方税制改革の政治経済学ー相互扶助の精神を生かした制度設計」(有斐閣)を、出版されました。三位一体改革から道州制・地方債改革・破たん法制まで、現在の地方財政改革が取り上げられています。
その際の視点は、次のようなものです(序章p1~11)。
・地方財政には、2つの観点がある。すなわち、自治体での財政運営論と、国家での地方財政制度構築論である。前者については、各自治体で競争が始まっている。しかし後者については、ノウハウが少数の関係者にのみ共有されており、また全体像を見渡した改革は、なされていない。
・小泉改革は、市場主義的地方財政制度を目指すものであった。筆者は、それに与することはできない。
・日本の農政を批判する言葉に、「農家は保護したが、農業は育てなかった」というものがある。地方財政・地方自治についても、同じことが言えるのではないか。総務省は、地方にとっての利益代表と、規制者の両者を使い分けて省益を守ってきた。早く方向転換すべきであった。
鋭い指摘です。詳しくは、本をお読みください。昨日、私の仕事場まで、ご本を届けてくださいました。「全勝のHPで、宣伝せよ」とのご指示なので、ここで紹介します(笑い)。