7月16日の日経新聞に「座りすぎ大国ニッポン、立ち作業で集中力アップ 企業・学校が独自策」が載っていました。
・・・日本は世界有数の「座りすぎ大国」――。長時間のデスクワークなど座りっぱなしの生活が引き起こす医療コストを早稲田大学の研究チームが試算したところ、年2800億円超に上った。代謝を高めるため立ち作業を取り入れるなど、対策に乗り出す企業や学校が相次いでいる。
日本は世界有数の「座りすぎ大国」とされる。オーストラリア・シドニー大などは11年、20カ国・地域の成人約5万人を対象に平日1日あたりの座っている時間(中央値)を調べた。各国平均が5時間だったのに対し、日本とサウジアラビアは最長の7時間。最も短かったポルトガル(2.5時間)の3倍弱だった。
早稲田大スポーツ科学学術院の岡浩一朗教授は、各国のデータは調査対象や手法が異なり単純な比較は難しいとしたうえで「日本が長いのは、諸外国と比べて労働時間が長いのが一因。IT機器や家電類の発達に伴い、調査当時よりさらに座位時間が長くなっている可能性がある」とみる。
座りすぎが健康上のリスクになりやすいのは近年の様々な研究で明らかになっている。岡教授らは4月、座りすぎを原因とする慢性疾患によって医療費などの経済的負担は年間約2825億円に上るとする推計を発表した。
岡教授によると、全身の筋肉の7割は下半身に集中しており、ずっと座ったままでいると筋肉がほとんど使われず代謝が落ちてしまう。そのうえで「『第二の心臓』と呼ばれ、全身に血液を循環させるふくらはぎの機能が低下すると、肥満や糖尿病、心臓病などの疾患リスクを高める」と指摘する。
約6万人を対象とした京都府立医科大の追跡調査(21年公表)によると、日中座っている時間が2時間増えるごとに死亡率が15%上昇することが判明。生活習慣病を抱えているとさらに数値が高まり、糖尿病は27%、高血圧は20%だった。
座りすぎの解消は健康リスクを低減させるだけでなく、集中力アップの効果が見込めるとする研究結果もある。
オフィス家具大手のオカムラと日本体育大学は小学生を対象に座ったままの「座位作業」、立ったままの「立位作業」、立ったり座ったりする「混合作業」の3グループに分け、45分間のドリル学習などに取り組ませた。
その前後で注意力や認知機能を測る問題を解いてもらったところ、立ち作業や混合作業をしているグループが座位作業のグループよりも正答数の増加率が高かった・・・