室田哲男著『危機管理法制の可能性』(2026年、信山社)を紹介します。著者は、元総務省の官僚、現在は政策研究大学院大学教授です。
東日本大震災以降の災害対応や危機管理の実務経験を踏まえ、その後の危機管理法制研究の成果をまとめたものです。災害、感染症、国民保護などの危機管理法制を横断的に比較・分析し、それぞれの制度の特徴や課題を整理するとともに、危機管理法制全体の実効性向上に向けた方向性を考察しています。
我が国の危機管理は、近年急速に充実してきました。私も英文の『Public Administration in Japan』(2024年、Palgrave Macmillan)で強調しました。ところが、危機と言っても多種多様で、危機管理も異なります。それぞれに書かれたものはあるのですが、それら全体を横断的に見た本は少ないです。また、実務が変化するので、それを追いかける必要があります。研究としても、労力と分析視点が必要なのです。
これらの危機管理の多くは、地方自治体が担います。自治体関係者に有用です。お勧めします。