月別アーカイブ:2025年8月

経済対策と産業政策の違い2

2025年8月6日   岡本全勝

経済対策と産業政策の違い」の続きです。
バブル経済崩壊後、度重なる経済対策にかかわらず、景気は良くなりませんでした。巨額の不良債権の処理、過剰な設備などの解消を行い、規制改革、市場開放などの供給拡大策も取られました。しかし、2010年代以降も、日本の経済は復活しませんでした。

これら以外の要因があったのです。一つは、国際競争です。日本が生産し輸出していた製品、代表は電気製品です。まず、工場が海外に移転し、国内産業が空洞化しました。次に、アジア各国の追い上げで、市場を奪われました。それは海外輸出だけでなく、国内市場でも負けました。いくつかの家電企業が倒産したり、外資に買われました。

アメリカはそのような経験(日本がアメリカの電器や自動車産業を負かした)をしたのですが、新しい分野で発展を続けました。情報通信、バイオ、映像などです。韓国や中国も、それらと競争するように、新しい分野でも力をつけました。日本は、世界の先頭を走っていた半導体産業でも、負けるようになりました。
日本も挑戦はしたのですが、アメリカに追いつけず、いくつかの分野では韓国、中国、台湾にも置いて行かれるようになりました。
この状態を作ったのは、日本の産業界です。世界第二位の経済大国になって、「経済一流、政治は二流」と豪語していたのに、その後の凋落ぶりは悲しいものがあります。

政策論に戻りましょう。
ケインズ経済学は需要に着目した景気対策であって、供給側(産業や国際競争)の視点が欠けています。供給側も入れた経済学・経済政策が必要なのです。その点では、日本は規制改革、市場開放などの供給拡大策は取ったのですが、産業政策だったのです。
日本がこの間に産業政策に消極的だったのは、新自由主義的改革思想にも原因があります。経済成長に成功し、従来の産業保護振興政策は終わったとの認識がありました。政府の市場への介入はなるべく減らすべきだという主張です。
それ自体は間違っていなかったのですが、産業界が「認識不足」「力不足」の場合は、政府が介入すべきだったのでしょう。課題はその手法です。産業が幼稚な時代(明治時代など)は、政府による技術導入や支援、国営企業の払い下げ、資金支援、関税による保護などが行われました。現在では、どのような産業にどのような手法を使えば良いのでしょうか。
現在、半導体産業をてこ入れしようとしています。ただし、政府や官僚に、どこまで産業の未来を見抜く能力があるかは、未知数です。
日本経済低下の責任

「的」と「の」、日本語と中国語での使い方

2025年8月6日   岡本全勝

日経新聞土曜日連載、阿辻哲次さんの「漢字そぞろ歩き」、7月26日は「中国語に交じる平仮名「の」の謎」でした。

・・・1990年代半ば、とある業務で何人かと中国へ出かけ、最初の用務先である河南省の省都鄭州についた時のことである。
夕方ホテルにつき、荷物を置いて、夕食にいい店を物色しながら大きな通りを歩いていると、同行の一人が大声で叫んだ。
「ほら、あそこ! 『大阪の夜』って書いてある!」
彼が指さす方を眺めると、大きな看板に金文字の行書体で「大阪の夜」と書かれていた。
鄭州でなぜ「大阪」なのかも不思議だったが、もっと驚いたのは、その看板にひらがなの「の」が書かれていたことである・・・

現在の中国、香港、台湾では、街中の看板やポスターにひらがなの「の」が氾濫しているそうです。
なぜ「の」が使われるか。日本語が格好良いと思われていること、「的」より書きやすいようです。発音は「的」を使うとのこと。

もう一つ勉強になったのは、日本語での「的」、現実的とか社会的の「的」です。
これは、英語のromanticなどにある-ticを音訳したのだそうで、中国にはない使い方とのこと。へえ。

元気な肝冷斎

2025年8月5日   岡本全勝

異常に暑い夏が続いています。35度を超えると耐えられません。40度を超えるところが続出しています。伊勢崎市で国内最高気温を更新する41.8度を観測したとのことです。
冷房を入れないと過ごせないし、冷房を続けると体に悪いし・・・。

この暑さの中、肝冷斎は炎天下で活動中です。観タマ。今年は既に100試合見たとか。あわせて、野外活動も。そんなに若くないと思うのに、元気なことですわ。
8月のカレンダーは、国宝の数々です。作成に時間がかかっていると想像されます。
もちろん、毎日の古典漢文解説も、途切れることなく続いています。

能登地震、県庁欠けた主体性

2025年8月5日   岡本全勝

8月2日の朝日新聞が「能登地震、甘かった想定・欠けた主体性 県の初動、検証委が報告書」を伝えていました。

・・・昨年1月に発生した能登半島地震での石川県の初動対応について、有識者による検証委員会が報告書をまとめ、1日に公表した。最大の課題として、災害対応における県職員の当事者意識の欠如と事前の想定の甘さを指摘。それが対応の遅れにつながったとした。
検証委は、発生から約3カ月間の初動対応をめぐり、県職員約3500人に加え、国や自治体、支援団体約100団体にアンケートを実施。その結果から53の検証項目を洗い出し、それぞれ課題や改善点を列挙した。報告書では、各項目の検証結果を踏まえ、ポイントを七つに整理した。

県組織の災害対応体制については、職員自身や家族が被災したり、年末年始で帰省したりしていたため、出勤困難者が多数にのぼり、参集した一部の職員に負担が集中。一方、発生から1週間の出勤率が50%を下回る人も多く、全庁的な対応に至らなかったとした。
また、庁内に組織横断チームを設けたものの、情報を集約・整理して共有する体制になっておらず、発生直後はチームの情報が各部局に伝わらなかったため、業務に支障が生じたとした。
これらを通じ、「職員の災害対応意識、組織として全庁体制で対応する意識が希薄で、対応が受け身」だったと厳しく指摘した。

県の受援・応援体制をめぐっては、被災6市町に連絡・調整役として派遣した職員に関し、市町へのアンケートやヒアリングで、「指示がなければ動かず、何をしているのか分からなかった」「相談しても『市町の仕事』との返事が多く、県で何ができるかを検討してほしかった」との回答が寄せられたという。
「派遣の意義があるのか」という厳しい意見もあったといい、「被災市町を支えるという姿勢が不十分」と指摘した・・・

制度や組織は作っただけでは、機能しません。全体の目標設定、下部組織への適確な指示、職員の意識の共有など、運営に左右されます。

家計消費状況調査回答終了

2025年8月4日   岡本全勝

昨年7月から引き受けた家計消費状況調査。月末になったので、念のためにインターネットの該当サイトを開きました。入力できなくなっていました。
1年間の務めを果たしたということですね。

追記
統計局から御礼の手紙と、実施を引き受けている法人からクオカードが届きました。