月別アーカイブ:2025年7月

世界で酷暑、損失600兆円

2025年7月31日   岡本全勝

7月13日の日経新聞に「世界で酷暑、損失600兆円」が載っていました。

・・・世界で酷暑が続いている。日本の6月は観測史上最も暑かった。30日には全国100地点で35度を超え、7月も全国で「10年に1度」という猛暑日が続く見込みだ。スペインやイタリアでも連日、最高気温が40度を超え、警報を出す事態となっている。日本の6月中旬の記録的な高温は人為的な温暖化がなければ起こりえなかったと研究者は結論づけた。選挙でも国民の気候変動の影響への関心は高まりつつある。

スペインでは気温が46度まで上昇した。フランスでは多くの学校が休校などの措置をとった。イタリアでは一部の地域で日中の屋外労働が禁止となった。
猛暑は米国でも観測されている。マサチューセッツ州のボストンでは39度に達する日があり、6月の最高気温を更新した。カリフォルニア州では新たな山火事が発生した。
日本も気象庁が7月1日、6月の国内の平均気温が平年より2.34度上回り、統計を始めた1898年以降で最も高くなった。
温暖化は世界で起こるインフレとも密接に関わる。現状のまま気温上昇が続けば、作物の不作が続き、2035年まで食料のインフレ率が年間最大約3ポイント増える恐れがある。カリフォルニア州の25年の火災ではインフラや建物・住居などが損壊し、最大40兆円の経済損失が出たと推計された。
温暖化対策の国際ルール「パリ協定」では、産業革命以前からの気温上昇を1.5度以内に抑える目標をかかげる。近年、世界はこの目標を上回る勢いで気温が上昇している。平均気温の上昇幅は24年に世界で初めて1.5度を超えた・・・

・・・気候変動は各国のインフラに打撃を与える。豪雨や干ばつといった異常気象の頻発は道路や水道、送電網など既存のインフラに甚大な被害をもたらし、経済的損失も深刻だ。将来的に異常気象に耐えるインフラの整備・維持への投資も必要になる。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書によると、気候変動による世界のインフラの損失額は、平均気温が2度上昇した場合に2100年に4.2兆ドル(約600兆円)に上ると推計される。
気候変動による海水温の上昇は、台風や大雨の勢いを強める。米マッキンゼー・アンド・カンパニーによると暴風や河川の洪水は交通、通信とあらゆるインフラにとってリスクが高い。また極端な乾燥現象と干ばつは水道の利用を難しくし、気温の上昇は空港やデータセンターを襲う・・・

記事には、さまざまな項目が載っています。ご関心ある方はお読みください。

省庁改革本部減量班同窓会

2025年7月30日   岡本全勝

先日、省庁改革本部事務局減量班の同窓会に行ってきました。
一緒に仕事をしたのは、1998年から2000年までです。私は、富山県総務部長からの異動で、事務局では参事官、駆け出しの管理職でした。各省だけでなく、民間企業からの職員も一緒でした。
課の数を減らしたり、審議会を整理したりするのが任務でした。仕事が仕事だけに、みんなに苦労をかけました。各省と民間からの混成部隊、仕事も難しいので、職員たちにいかに気持ちよく仕事をしてもらうかも、私の課題でした。「明るい公務員講座」の実践の場でした。

もう27年も前のことになります。四半世紀以上です。同窓会もずっと続いていて、毎回盛り上がります。多くの人は現役を退き、第二の職場で活躍しています。
今回は私の叙勲祝も兼ねていて、名写真家による記念撮影もありました。みんなから、当時の仕事ぶりの話が出て、過分なお褒めをいただきました。ありがたいことです。

社員をやめさせない

2025年7月30日   岡本全勝

7月17日の日経新聞に「社員一丸なら若手やめず」(電子版では「小さくても勝てる 社員をやめさせない 中小でも希望通り休め、友達採用でミスマッチ防止」)が載っていました。要点は、風通しの良い職場、心理的安全性をどのようにして作るかだと思います。

・・・多くの企業が社員の退職に頭を悩ませるなか、一部の中小企業は独自の工夫で社員の離職を防いでいる。樹脂部品を開発する陽和(北九州市)は過去26年間で、新卒採用で入った社員の離職を2人に抑えた。若手や中堅社員は「自分の成長を実感できる仕事の進め方」「社員一丸で課題と向き合う社風」を〝やめない〟理由に挙げる。

厚生労働省の2024年のデータによると、21年3月卒業の新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率は38.4%と、前の年より1.4ポイント上がった。大卒が2.6ポイント高い34.9%、高卒は1.4ポイント高い38.4%だった。
従業員1000人以上の企業は3年以内に大卒の28.2%が辞め、30〜99人の企業では42.4%が辞めるなど、規模の小さい企業ほど離職率は高い。大卒の離職率は00年代に36%を上回る年もあったが、今は当時より少子化が進み、新卒採用のハードルは上がった。若手の離職を深刻にとらえる企業は増えている。

陽和はデータのある1999〜2025年に大卒や高卒を中心に29人を新卒採用し今も27人が働く。離職率は単純計算で6.9%。130人超の中小で「やめない経営」を実践する。
越出理隆社長は約20年前に「1人の社員が1週間休んだとき、生産ラインを止めた経験が転機になった」と振り返る。熟練者に一部の業務を頼っていたため、代役を果たす社員がいなかった。
数年かけて業務別の手順書を一つずつ作成し、生産などの現場作業は動画を共有した。「カンやコツと呼ばれるポイントをなるべく数値化して説明し、社員が互いの仕事をカバーしあえる職場に改めた」(越出氏)
社員が自分の望む時期に気兼ねなく休めるようになり、有給休暇や育児休暇の取得率は90%を超える。越出氏は休みやすい職場が離職率を抑える最初の一歩とみる。
その上で入社5年目の上杉玲央さんは「答えを自分で考えるよう、先輩が若手を導いてくれる」と指摘する。陽和では若手が困難にぶつかると、先輩が解決策ではなく、うまくいかない原因を伝える。
上杉氏は「解決策を考えて正解に近づくと成長を実感する。複数の先輩が業務に通じているため、相談はしやすい。特定の先輩が忙しいから相談できないといったストレスもない」と話す。

22年目の前田康太課長は入社当時と現在を比較して「改善活動がしやすくなった」と語る。数年前、残業時間が月40時間を超える状況が続き、工場内の不満が高まった。残業を減らすため、原因となる作業を機械で自動化することにした。
その際、どんな自動化装置が使いやすいか、生産と開発のチームが繰り返し話し合い、装置に反映した。導入後、残業は月10時間に減った。前田氏は「社員が一丸となり装置を完成させ、達成感があった。風通しのよい職場でなければ難しかった」と強調する・・・

経済対策と産業政策の違い

2025年7月29日   岡本全勝

日本は、この30年間、どうやら経済に関する政策を間違えたようです。
バブル経済崩壊後、長期の不況に陥りました。1990年代に政府は、巨額の経済対策を打ちました。経済が冷え込んでいるので、需要を喚起して、景気を支えようとしたのです。

1929年に発生した世界大恐慌を経験して、ケインズが新しい経済学を主張しました。不況の原因を需要不足と考え、有効需要の創出を訴えたのです。これは、当時としては画期的で、かつ効果もあったことから(戦争による需要拡大もあったようですが)、ケインズ経済学は経済学の主流となりました。
戦後の先進国でも、景気調整の理論的支えとなったのです。ところが、1970年代以降は、多くの国で効き目が低下しました。スタグフレーションと呼ばれる状態、不況と高い失業率と物価上昇が併存する状態に陥ったのです。これに対する政策として、供給を拡大する政策(規制緩和・構造改革・産業競争力の向上・市場開放)などが取られました。

バブル経済崩壊後、日本も度重なる経済対策にかかわらず、一向に景気は良くなりませんでした。当時は、まずは巨額の不良債権の処理、過剰な設備などの解消が必要でした。それらは、2000年代には概ね解消したようです。他方で、規制改革、市場開放などの供給拡大策も取られました。
しかし、2010年代以降も、日本の経済は復活しませんでした。1990年代半ばから30年間にわたり、経済は拡大せず、所得も上がりませんでした。
この項続く