労働集約、資本集約、契約集約、知識集約

2024年12月6日の日経新聞経済教室、猪俣哲史・ジェトロ・アジア経済研究所上席主任調査研究員の「経済安保、制度構築が供給網再編のカギ」から。

・・・ある製品に関して「労働集約的」「資本集約的」といった表現が用いられることがある。労働集約的産業は人間の労働力への依存度が高く、繊維産業などが挙げられる。資本集約的産業は機械設備などの固定資本への依存度が高く、自動車産業が一例だ。潤沢な労働力を持つ国は労働集約的な製品に、資本が豊富な国は資本集約的な製品に、それぞれ比較優位を持つ。

これに対して複雑なサプライチェーン(供給網)を通して生産される製品は様々な取引契約を伴うので、「契約」集約的と呼ぶことができる。カナダのブリティッシュ・コロンビア大学のネイサン・ナン教授によると、国の法制度の質は、契約集約的な製品の生産においてその国の国際競争力を左右するという。

ほかにも知的財産権の法的枠組みに優れる国は、「知識」集約型産業に比較優位があるといったことが考えられる・・・