9月24日の日経新聞に「見えぬ「待機学童」、実態は1.7倍」が載っていました。
・・・学童保育の受け皿が足りない。子どもを預けたい共働き世帯が増えているのに、保育所と比べて整備数が少ないためだ。2024年の待機児童は約1万8千人と過去最多となった。日本経済新聞の調査では、国の定義から漏れる隠れ待機児童を含めると、実態は1.7倍に上る。原因は子育て世代のニーズを国が正確に把握できていないことが大きい・・・
・・・こども家庭庁によると、学童保育の待機児童数は増加傾向にあり、24年5月時点で1万8462人と過去最多を記録した。かつて待機問題は保育所が目立っていたが19年に逆転。保育所は17年の約2万6千人をピークに減少し、24年は10分の1ほどの約2570人となっている。
12年に発足した第2次安倍晋三政権は女性活躍の旗印の下、受け皿を大幅に増やす目標を掲げた。この10年で保育所は約74万人分、学童保育も約58万人分が増えた。それでも受け皿の総数は23年時点で、保育所の320万人超に対し、学童保育は150万人超と半分以下だ。
さらに、国による待機児童の定義変更も実態を見えにくくしている。当時所管していた厚生労働省は19年度から、希望する学童保育とは別に利用可能な施設があるとみなすときは、待機児童の数に含めないことにした。具体的には、開いている時間帯に大きな差がない、最寄りでなくても一般的な交通手段で20〜30分程度の距離にあるといった場合を除いた。
日本経済新聞は東京23区と政令指定都市20市を対象に、新たな線引きに従って待機児童に含めない潜在的な待機数を調査した。回答があった40区市の合計は5月1日時点で2081人だった。国の基準で集計すると約3000人だが、足し上げると1.7倍の5100人となる。
潜在的な待機数が最も多かったのは、さいたま市で737人。国の集計基準による288人と合わせると1000人を超える。東京都の港区が281人、中野区が204人で続いた。両区の公表値は29人、8人だった・・・