制度・規制改革学会、「子育て支援金」制度の撤回を求める緊急声明

4月5日に、制度・規制改革学会が、「「子育て支援金」制度の撤回を求める」緊急声明を出しました。最初の部分を引用します。

政府は、少子化対策の財源として「子育て支援金」の新設を提案し、今国会に関連法案を提出した。健康保険料に上乗せして国民と産業界から徴収するとの案だが、根本的な欠陥がある。
1)健康保険から取ることは根本的に間違い
・そもそも健康保険は、疾病のリスクに備える社会保険である。少子化対策への流用は、その本来の目的から外れる。
・何ら合理的理由がないにもかかわらず、こうした提案がなされるのは、「取りやすいところから取る」ということにほかならない。
・少子化対策は医療保険にとっての受益であるというのはもはや屁理屈である。これを認めれば、観光振興も環境対策も健康にプラスの効果を与え、医療保険の受益となるなどもはや何でもありとなる。将来の各種施策の財源確保にも禍根を残す大失策になりかねない。
2)負担は生じる
・政府は「実質的な追加負担は生じない」と主張するが、この政策で保険料負担が増える以上、詭弁である。
・上乗せ分は世代一律ではなく、現役世代に偏って負担が増す。高齢世代の負担がわずかであることは不公平であり、かつ、子どもを産み育てる世代の支援という少子化対策と逆行する。