年別アーカイブ:2022年

分野ごとに違った主体がつくる世界の秩序

2022年2月22日   岡本全勝

2月4日の日経新聞、イアン・ブレマーさんのインタビュー「米主導の秩序、二度と戻らず」に次のような主張が載っています。

――世界に調和できないルールが乱立するおそれはありませんか。
どんなルールかによる。我々は気候変動についてのルールを作り始めており、その動きの大半は米国の外で起きている。サプライチェーン(供給網)は中国、規格や基準づくりは欧州の存在がそれぞれ優勢だ。どの企業やエネルギーに投資したいかは銀行が決めている。北京とワシントンで「ポスト炭素エネルギー」のルールを決めることにはならない。
一方、将来の安全保障環境では米中の関与が大きい。例えば中国が主張する南シナ海での権益をどう扱うかなどの課題では、多額の軍事費を投じる米中がルールを仕切る。欧州勢や日本は大きな支出もしていないので大きなことは言えない。この分野では米国は非常に支配的な存在だ。

つまり、これから我々は単一で一貫したグローバル秩序ができるのではなく、課題ごとに違ったタイプの参加者がルールを決める時代に入る。
最も問題含みなのがテクノロジーの分野だ。ルールは企業が決めることになる。デジタルの参加者がバーチャルの世界で自治権を行使する一方、いかなる政府部門も何ら大きな影響力を及ぼせない。もしこの傾向が2030年まで続くなら、世界各国の政府はほんの一握りの企業と権力を分け合う。企業はデータに関するあらゆる点で主権を真に握る。

――人類にとってそれは良いことですか。
はっきりしない。いくつかの分野では政府部門の力は衰え、テック企業は一段と自由に振る舞える。テック企業は米中関係でもより大きな役割を演じる。企業はグローバルな「つながり」の確保を重視し(米中による)戦争や冷戦の可能性を下げるだろう。
一方、企業は市民に対してでなく、第一に株主に対して責任を負う。彼らのビジネスモデルが不平等を深め、市民や国家の個別の利益を頻繁に混乱させる。民主主義も確実に傷める。

国立公文書館、近現代の文書管理の歴史

2022年2月21日   岡本全勝

先日、国立公文書館に行ってきました。企画展「近現代の文書管理の歴史」を見るためです。官僚の一人として、公文書の作成や保管には関心があります。かつて知人が働いていたこともあり、何度か訪れています。

今回の展示は、明治以降の国家の公文書の変遷です。どのような様式が定められたか、どのように保管されたのか。勉強になりました。明治6年の宮殿の火事、大正の関東大震災、敗戦と焼却。保管されていたたくさんの文書が、灰になってしまいました。
昔から「文書が多すぎる」と、その是正をするための行政改革がされていたことも、驚きでした。

公務員でなくても、近現代史が好きな方には楽しめます。無料です。お土産には、平成と令和の文字が入ったクリアファイルなどもお勧めです。
国立公文書館の業務を簡単に紹介した動画があります。これは分かりやすいです。こちらも、ご覧ください。

拡大自殺、若者の生きづらさ

2022年2月21日   岡本全勝

2月10日の読売新聞解説欄は、「「拡大自殺」背景と対策」でした。
・・・他人を道連れにして死のうとする「拡大自殺」と呼ばれる犯罪が相次いでいる。電車内やクリニックなど公共の場で起こされるケースもあり、人々の安全を脅かしている。背景にはどのような問題があり、どんな対策が考えられるのか・・・

土井隆義・筑波大教授の「「生きづらさ」抱え込む若者」から。
・・・将来を悲観し、自暴自棄になって起こされる事件の多くが、「拡大自殺」に該当すると考えられる。中には若者による犯罪も少なくない。背景にあるのは、現代の若者たちに特有の「生きづらさ」だ。
社会が右肩上がりだった時代は過ぎ去り、国内総生産(GDP)は1990年代から低迷が続く。人生が山を登るような感覚だった80年代までと異なり、現代の若者たちは今日も明日も変わらない平地を歩くイメージで生活している。
しかも、今いる場所から一度でも「転落」すると、二度とはい上がれないという感覚にとらわれている。それが、「生きづらさ」の主たる要因だ。
インターネットの影響も大きい。多様な価値観が広がるネット社会では、人々はかえって不安になり、同じような学歴や趣味、目標などを持つ同質の人とのつながりを深める。若者は特にこの傾向が強い・・・

・・・「生きづらさ」を緩和するためには、人間関係を広げることが有効だ。一つの居場所を失っても、別の居場所があればセーフティーネットになる。視野が広がり、「転落」という発想から解放される。
物事にチャレンジする意義を伝えることも重要だ。例えば、望んだ仕事でなかったとしても、とにかくやってみれば、新たな可能性や楽しみを発見できるかもしれない。そうした体験は自信となり、失敗や挫折を乗り越える意欲につながる。
それでも孤立してしまった若者に対しては、行政だけでなく、民間の支援団体を含む社会全体でアプローチすることが大切だ。そうした周囲の助力によって社会とつながることができれば、行政による職業訓練のプログラムなどを通じ、立ち直っていけるのではないか。
人生には色々な道がある。人は皆、つまずきながら成長していくものだ。若者たちに繰り返しそう伝えていく必要がある・・・

コロナワクチン接種3回目

2022年2月20日   岡本全勝

19日土曜日に、新型コロナワクチンの3回目接種を受けました。これまでとは別の会場でしたが、みんな慣れているので円滑です。今回も、ファイザーでした。
副反応は、注射したか所が翌日まで痛かったこと、翌日やや熱っぽく体がだるかったことくらいでした。
「第2回目」

寝る前に良かったことを思い出す

2022年2月20日   岡本全勝

2月8日の日経新聞の医療健康面「心の健康学」は、大野裕さんの「スリー・グッド・シングス」でした。

・・・ある会合で、夜寝る前に子どもと一緒にスリー・グッド・シングスを実践しているという女性に会った。おそらく就学前か小学校低学年の子どもだろう。子どもを寝かせつけるときに、その日に起きた良かったことや楽しかったことを話してもらっているのだという。
スリー・グッド・シングスについては、以前に本欄でも紹介したが、その日に起きた良かったことを3つ思い出して書き出すことでこころを元気にする方法だ。良かったことと言っても大げさなことでなくてもよい。日常生活のなかで起きた、こころが少し和らぐような出来事を具体的に思い出す・・・

大人が一人で行うことも効果があるでしょうが、子どもと親が一緒にやると、子どもは気持ちよく寝ることができるでしょう。そしてよい子になると思います。