小宮隆太郎先生

11月24日の日経新聞経済教室は、八代尚宏・昭和女子大学特命教授の「小宮隆太郎氏の思想の原点 経済学に基づく政策目指す」でした。

・・・小宮隆太郎先生が逝去された。その経済思想の原点は「経済学の論理を現実の政策に生かすこと」にある。
東大助教授となった1955年当時の日本の経済学界は、観念的なマルクス理論が中心で、現実の経済政策は官僚の試行錯誤で進められていた。こうした中で、経済学の理論に反した様々な政策に対し、少数意見としての「小宮理論」を一貫して唱えてきた。
その対象は専門の国際貿易論を超えて、税制、企業金融、土地問題から経済計画まで幅広い分野に及ぶ、それは、経済学の理論はあらゆる社会問題の解決に貢献できるという信念に基づくものだ・・・

今の学生たちはには理解できないでしょうが、私が大学に入る前までは、日本の経済学、特に東大経済学部はマルクス経済学(マル経)が主流だったそうです。当時は「マルクス主義を理解しないと知識人ではない」くらいの位置づけで、ソ連や中共への(現実を知らない)憧れもあり、力を持っていました。で、私も少しかじりましたが、すぐにやめてしまいました。
八代先生がおっしゃる「観念論」が先にあり、それに歴史を当てはめます。現実経済の分析には、ほぼ役に立たない議論でした。

「マル経」に対し現在の経済学は、「近代経済学」「近経」と呼ばれていました。こちらは、はじめは難解でしたが、思考方法が理解できると、頭に入りました。マル経と近経の対立構図を知ったのは、もう少し後のことです。当時のマル経の先生方は、現在の経済学の状況をどのように見ておられるのでしょうね。