組織運営の要諦3

組織運営の要諦2」の続きです。組織運営では、「集中と分散」「社風」の二つが肝ですが、これらは内部に関してです。それとともに、外部との関係、すなわち発注主との信頼関係や関係者からの信頼も重要です。

その組織に仕事を与えた「発注主」(官邸であったり大臣です)の信頼を確保する必要があります。
うまく進んでいる場合は、その報告だけですみますが、うまく進んでいない場合にそれを報告し、対策を相談することです。そして、発注主の「威を借り」て、組織を改編したり、関係機関に協力を得るのです。

また、時に現場を理解せず理不尽な指示を出す発注主に対して、「それはできません。代案は・・・」と反論することも必要です。無理な指示を引き受けると、困るのは幹部であり部下です。組織と部下を守るためにも、できないこととできることを、はっきりと発注主に伝えなければなりません。そのためにも、発注主の信頼が必要なのです。
「こいつが『できません』と言うからには、それだけの理由があるのだろう。ほかの人に任せてもダメだろう」と思ってもらえるかどうかです。

新設組織や××本部は、これまでにない課題を担い、また総理や大臣の関心ある重大事項を担います。そう簡単には進まないのです。進むくらいなら、組織を新設する必要はありません。
うまく進まない場合にも、発注主の理解を得て、信頼してもらうこと。これが幹部に必要なのです。それがないと、部下たちは不安になります。できない指示を跳ね返したことが分かると、部下は幹部を信頼して、ついてきてくれます。

さらに、関係者や報道機関の理解を得ることも重要です。「××事務局は仕事が進んでいない」と言われるのか、「××事務局は難しい仕事に取り組んでいる。当初は混乱したが、徐々に進みつつある」と言ってもらうかの違いです。