河北新報社『復興を生きる』

河北新報社編集局編『復興を生きる 東日本大震災 被災地からの声』(2022年8月、岩波書店)を紹介します。
河北新報社が、震災10年を機に連載した「東日本大震災10年報道」を、本にしたものです。2021年度新聞協会賞企画部門を受賞したとのことです。

大震災の被害については、たくさんの報道と記録があり、その後の復興についても、継続的に報道されています。しかし、10年を機にその復興を振り返ることは、価値があります。
自然災害は自然が引き起こすもので、防ぐことができない部分もあります。他方で復興は、私たち人間が取り組むものです。10年というのは一つの区切りですし、津波被災地ではほぼ復興工事は完了しました。
町がどのように復興したか、産業や暮らしがどう変わったか。それを検証して欲しいです。復興庁も、インフラの復旧だけでなく、産業となりわい、人とのつながりやコミュニティの再生も支援しました。インフラの復旧だけでは、町の暮らしが戻らないと気づいたからです。

政府や自治体もその記録を残していますが、地元の新聞社という立場から復興を振り返ってもらうことは、政府と自治体にとっても有意義だと思います。時に厳しい意見もありますが、今後起きるであろう大災害の際に教訓となります。
当事者も関係者も最善を尽くしたのですが、初めての経験でもあり、手探り状態でした。振り返って「こうすればよかった」ということもあるでしょう。第10章で、復興庁が取り上げられています。

私の発言も、93ページ、212ページに載っています。2021年3月18日の記事は、収録されていないようです。