法令でなく要請で規制することの弊害

5月26日の時事通信社コメントライナーに、武部隆・時事通信総合メディア局専任局長が、「マスク着用「マナー」は変わるのか」を書いておられます。
日本はコロナ禍において、マスク着用を法令ではなく、要請ですませました。罰則付きの規則でなく、マナーとしたのです。ところが、それは弊害を生んでいます。
武部さんのお子さんは、感覚過敏と自閉症で、マスクを着用できません。すると、外出できないのです。理髪店は当初はマスクなしでの調髪を認めてくれていたのですが、途中から「マスクなしの来店お断り」となりました。どうやら他の客から文句が出たようです。

武部さんは、法令による禁止の例として、障害者が利用する自動車の駐車例外を挙げています。申請すれば、駐車禁止の場所でも駐車できる章票が交付されます。これを出しておけば、県が指定した場所に限り駐車禁止の罰則は適用されません。
法令で規制しないことは一見やさしそうに見えますが、このような事情のある人にとっては冷たい方法です。