損保会社の協力による罹災証明迅速化

4月23日の読売新聞1面が「罹災証明 発行迅速に 自治体・損保 家屋調査一本化」を伝えていました。

・・・災害時の支援金受給などに必要な「罹災証明書」の発行手続き迅速化のため、内閣府は、自治体と損害保険会社の連携を推進する。災害時には証明書を発行する自治体と、保険金を支払う損保がそれぞれ被災家屋を調査しており、これらの一本化を進める。今年度に一部の自治体の先行事例を調査し、普及を図る。

罹災証明書は、市町村が被災家屋の状況を調査して「全壊」「半壊」などを認定する書類。災害救助法に基づく公費による応急修理や、被災者生活再建支援法に基づく支援金の受給に必要になる。
しかし、大規模災害では、しばしば自治体の調査負担の増大で発行に時間がかかる問題が指摘されてきた。例えば2019年秋に台風15号、19号などの被害に相次いで見舞われた千葉県市原市では、計約1万1500件の証明書の発行申請があり、発行まで約1か月かかる状況が生じた。
こうした中、一部で始まったのが損保会社と自治体の協力だ。三井住友海上火災保険(本社・東京)は21年から自治体向けサービスとして、水害時の保険金支払いのために調査した被災家屋の写真や被害状況を、契約者の同意の上、罹災証明書発行の資料として無償提供する協定を結んでいる。
同社によると、損害保険は調査から支払いまで最短3日で完了し、自治体の手続きよりも早い。既に全国45市町村がこのサービスを導入し、自治体によっては発行申請も同社経由で可能で、被災者による自治体への手続きは不要になる。
あいおいニッセイ同和損害保険(同)も20年、福井市と水害時の保険調査で撮影した被災家屋の画像などを提供する覚書を交わした・・・

このホームページで非営利団体との協働「NPOとの協働、地方の観光振興」、行政の企業との連携「コマツの被災地支援」を取り上げたところです。

コマツの被災地支援

日経新聞私の履歴書、4月はコマツ特別顧問の野路國夫さんです。
東日本大震災では、コマツも東北地方の工場が大きな被害を受けます。建機は復興に欠かせません。陣頭指揮で生産を再開させるとともに、被災地に建機を送ってくださいます。21日掲載の「郡山工場 建機生産を継続 安全データ共有 復興最優先に」に書かれています。

22日は「被災地支援 東北行脚1年 現場に学ぶ 保育所や診療所の設置で協力」でした。私も、コマツが復興支援に力を入れてくださっていると聞いていたのですが、保育所の設置などにも支援をいただいていたのですね。ありがとうございます。そして、お金だけでなく手を動かす支援をしてくださいました。
野路さんは「民間企業が得意分野の経営資源とマンパワーを提供できれば、迅速な復旧が期待できると思う。」と書かれています。

これは、東日本大震災で政府が学んだことです。私も企業や非営利団体との協働の有効性に気がつき、どんどん助けてもらいました。
課題は、支援を申し出くださる企業や資源を持っておられる企業と、行政や被災地が求めているものとをつなぐことです。これが重要です。しかし、意外と難しいのです。お互いのことを知らない、どこにどのような資源があるのか、どこで誰がどのようなことを求めているのかが分からないのです。

お金がかかる小中学校

4月12日の読売新聞くらし面が「公立 学用品など年10万円超」を伝えていました。

・・・「義務教育は、これを無償とする」。憲法26条に明記されているように、公立の小中学校は無償のイメージが強いが、ドリルや資料集、算数セットや書道セットなどを買いそろえる必要があり、保護者の出費が結構かさむ。その実態を探ってみた・・・
・・・今春、長女が宮崎県内の公立小学校に入学する会社員女性(31)は入学前にそろえた学校指定の学用品を前につぶやいた。指定された体操服や算数セット、粘土などは結構高く、総額2万円超。入学後も 鍵盤けんばん ハーモニカや絵の具セットが必要で、「子どもが使うので費用負担は仕方ないけれど……」と声を落とした・・・
・・・文部科学省の2018年度の調査によると、学校教育費として、公立小に通う子どもを持つ保護者が1年間で負担したのは6万3102円だった。内訳は、図書や文房具など学習に使うものへの支出が1万9673円と3割超を占め、ランドセルなどの通学関係費が1万8032円、学級費などの学校納付金が1万2235円。修学旅行や遠足などは6951円だった。給食も年間4万3728円かかり、学校教育費とあわせて年間10万円強の負担だ。公立中の学校教育費は制服がある学校が多く、年間13万8961円と倍増する。給食費とあわせて年間18万円強だ・・・

企業が進めるデジタル化

世の中、デジタル化の話が大流行です。デジタル庁もできました。やや言葉が先に走り、具体的にどうなるかはよく見えないようです。この手の話には、良くあることですが。
三井住友海上が取り組んでいるデジタル化について、担当幹部が解説しています。「三井住友海上が本気で挑むDX戦略の未来図」『日経BP』4月20日

・・・MS&ADインシュアランスグループホールディングスの傘下で損害保険事業を営む三井住友海上火災保険。
同社でDXを推進してきた執行役員ビジネスデザイン部長の本山智之氏と、コンサル会社A.T. カーニーの日本法人会長であり、イノベーション創出の拠点・CIC Japan会長の梅澤高明氏が語り合う。三井住友海上が2022年3月までの4カ年の中期経営計画で取り組んだDXの成果を踏まえ、保険業界の未来図を展望する・・・
▼業務効率化と顧客体験価値の向上を同時に進めるDX
▼KPIを追うのをやめ、DX、DI、DGという3つの領域に分類
それぞれの領域で、途中で一喜一憂しない仕組みを作る
▼自社の持つ情報と技術を活用し、社会貢献につなげていく
▼保険会社が持つ情報を事故防止に役立てる「RisTech」

業務の効率化だけでなく、顧客にとって便利になること、さらには社会貢献につなげています。これなら、分かります。

富山県町村会で講演

昨日4月22日は、富山県町村会の講演に行ってきました。町村長と若手中堅職員が集まってくださいました。
私たちが今どのような時代を生きているか、役場に求められることは何か、職員に求められることは何か。連載を続けている「公共を創る」や、今の職場で考え実践している職員研修などを元に、話してきました。

富山県には、1994年から98年まで4年間総務部長として勤務しました。もう四半世紀前のことです。いろいろな経験をさせてもらいました。お詫びが得意になったこと、明るい公務員講座の元になる冊子を書いたこと、フルート、お茶、お花の訓練を積んだことなどです。力を入れた若手女性育成がその後実を結び、部長や教育長が出ていることもうれしいことです。
新幹線ができたので、日帰りです。夜の意見交換会を済ませても、ゆったりと帰京できました。便利になりました。