新聞投稿欄に見る女性の思いの変化

4月16日の朝日新聞オピニオン欄「メディア空間考」に「テキストマイニング 30年の投稿分析、世情映す言葉」が載っていました。
・・・思いを伝えるため、言葉を選びつづられる投稿。1951年の誕生以来、「ひととき」欄には、そのときどきの女性たちの思いがつまっている。膨大な蓄積を単語ひとつひとつに分解して定量的に傾向を分析したら、社会の移ろいが見えるのでは――。
そんな試みに、エンジニア、記者などからなる社内外の横断チームが挑戦した。テキストマイニングと呼ばれる手法だ。題材としたのは平成30年間に掲載された約2万4千編。データベース化して単語ごとに分解し10年ごとに傾向を調べた。
ほかの時期に比べて、その時期に使われることが多い「特徴語」は何か。【前期】人権、公害、体罰、好景気【中期】認知症、パラサイト、ひきこもり、狂牛病【後期】スマホ、アラフォー、イクメン、放射能……と世相を表す言葉が並んだ・・・

詳しい分析は「「ひととき」女性読者の投稿はどう変わった? 平成30年間の投稿をAIで分析!」に載っています。
・・・まずは、ほかの時期に比べて、その時期に使われることが多い言葉(特徴語)です。
【前期】人権、デモ、公害、体罰、冷夏、助産婦、パラリンピック、好景気、プリクラ
【中期】認知症、要介護、パラサイト、ひきこもり、狂牛病、ミレニアム、ブログ
【後期】スマホ、アラフォー、イクメン、サプライズ、放射能、筋トレ、ヘアドネーション
前期では、まだ許容されていた学校現場での「体罰」への疑問、中期では2000年に始まった介護保険に関連した「要介護」や「認知症」、後期では東日本大震災による原発事故を受けた「放射能」などが挙がってきました。プリクラ、ブログ、スマホなど、身近なはやりものも織り込まれています・・・

・・・その中でも、出番の多い「夫」という言葉について、平成の前中後期でどのような変化があるか、調べてみます。表は、「夫」と共によく使われる形容詞の変遷です。
前期で最もよく使われたのは「多い」でしたが、これは「車で移動することが多い夫」のような使い方があるから。続く2番目は「寂しい」でした。
ほかにも、帰宅が「遅く」、仕事が「忙しい」のが、この時期の夫の姿であることがうかがえます。平成中・後期になると「寂しい」は順位を下げ、代わってトップに来るのが「うれしい」です。また、前期では圏外だった、「優しい」「おいしい」も中・後期で出てきます・・・