堀田力さん、敵は後ろにも

先日紹介した読売新聞連載の堀田力さんの回顧録。4月18日と19日は、ロッキード事件の捜査過程で、アメリカの司法当局から資料をもらう話でした。初めてのことですが、堀田さんはそれに成功します。
資料には、日本側の政府高官の名前が含まれています。資料は捜査に使うためで、起訴までは政府高官の名前の公表しないことが条件です。起訴しない場合は、名前が出ると名誉毀損になります。

ところが、野党とともに三木首相や大平財務大臣も、その名前を知らせろと迫ります。三木首相にも大平財務大臣にも、それを要求する法的根拠がありました。しかし、堀田さんは官邸での総理の要求に抵抗します。心臓が止まったでしょうね。

私たちの仕事、組織でする仕事、相手や関係者がいる仕事には、しばしば前の敵のほかに、後ろにも敵がいます。そして、こちらの方がやっかいなのです。それを外部に言うわけにもいかず。
部下をそのような立場に追い込まないことが、良い上司の資格でしょう。このようなことは、一般の指導者論には書かれていないのですよね。
上司は気がついていない、あるいは気づいていても言わない。部下は他の人にも言えず、一人で悩むのです。反抗すると、左遷やクビが用意されている場合もあります。