児童福祉司の増員

3月19日の日経新聞が「島根、児童福祉司増やしケア拡充 一般職の資格取得支援」を伝えていました。
これまであまり注目されなかった児童福祉司が、脚光を浴びています。そして行革続きの中、思い切った人員増ができなかった行政で、このような増員ができるようになりました。

・・・児童虐待の相談件数が約20万件(2020年度)と過去最多を更新する中、子どもや保護者に対するケアの拡充が急務となっている。対応にあたるのは主に児童相談所に勤務する児童福祉司。国は22年度までに人口3万人に対し1人を配置するよう定めるが、人材不足もあり現時点で基準に達するのは36道府県(推計)にとどまる。トップクラスの島根県や神奈川県では採用手法の多様化が効果を生み出しつつある。

児童福祉司は保護者の育児相談に応じたり、虐待されるなどした子どもを保護したりする公務員。大学で教育学などを学んだ人や福祉施設で実務経験がある人などが就く。21年4月時点の従事者は全国4844人。相談が増え続けている現状を踏まえ、5年で1.6倍になった。
国はさらなる増員が不可欠として19年に「児相管轄地域の人口4万人に1人以上配置」としていた基準を改正。「22年度までに同3万人に1人以上」とした。ただ、なり手は限られ「自治体間で取り合いになっている」(立正大の鈴木浩之准教授)・・・

・・・増員はケア拡充に向け一定の成果を上げている。20年度の神奈川県の1人あたり相談受付件数(政令市などを除く)は、16年度比約5件減の44.8件となった。県福祉子どもみらい局は「一人ひとりに細かな対応が可能になった」と強調する。島根県青少年家庭課も「夜間など緊急案件への対応力が増した」と話す。
ただ、国内の児童福祉司数は現時点で英国(3万人)の6分の1程度。虐待問題などを研究する子どもの虹情報研修センターは「専門職が圧倒的に足りない」と指摘する。幅広い支援に向けNPO法人などと連携を図る自治体も増えてきた。埼玉県は「児童虐待防止サポーター」制度を17年度に開始。虐待抑止や早期発見につなげる狙いで、21年度は600人を募集した・・・