月刊『地方自治』2022年1月号に、吉川浩民・自治行政局長の論文「協調と連携の国・地方関係へ~コロナ禍とデジタル化を踏まえて~」が載っています。
内容は、地方分権20年(ポイントの切り替え、国地方係争処理委員会、提案募集方式)、コロナ禍の影響、デジタル化と地方自治です。
私も、久しぶりに地方行政に携わることになって、この論文がとても役に立ちました。分権改革には私も参画したのですが、その後の動きについて断片的には知識を得ていましたが、このように鷹の目で見ることはなかったのです。
自治体関係者に、一読をお勧めします。インターネットで読めれば良いのですが。
このような専門誌や業界誌の1月号には、局長などの年頭の所感が載ります。多くは、昨年の回顧と新年の展望です。それはそれで意味はあるのですが、内容はその局の総務課の課長補佐が業務として書いているようで、つまらないです。それに対し、この吉川局長論文は、
・局長が体験してきたこの20年を基に地方分権20年の成果と課題
・喫緊の課題では新型コロナ対策で見えた地方行政の課題
・自治体の大きな課題であるデジタル化への取り組み
が書かれています。
官僚が書く文章にはしばしば「文中意見にわたるものは私見であり、組織の見解でないことを断っておきます」という文言があります。それに対し吉川論文は、局長が考えるこれまでの評価と現在の課題、未来への取り組み方向が示されています。これが、局長の役割です。かつて藤井直樹・国土交通省自動車局長の論文を紹介したことがあります。