孤独を「解毒」するつながり

12月10日の日経新聞特集欄「超高齢化社会の課題を解決する国際会議」の、リンダ・フリード、アメリカコロンビア大学メールマン公衆衛生学部長の発言から。

・・・社会参加の対極に孤独がある。孤独は「親しい関係の人がいない孤独」「家族や友人との関係に不満足な孤独」「社会的な孤独」の3つに分類できる。社会的な孤独は、人々が社会へ貢献したいのにそのすべがないときに感じる。
「解毒剤」になるのが緩やかなつながりだ。高齢者が持つ社会的資本は多く、経験から培ったノウハウには大きな価値がある。
米国ではかつて「老いることは役割なき役割」といわれたが、状況が変わってきた。2900万人の高齢者がボランティアをし、30億時間に及ぶサービスを提供する。欧州連合(EU)と米国の調査では、高齢者のボランティア活動などによる労働市場への寄与率は国内総生産(GDP)の7.3%に相当する。
社会参加は、高齢者に対して健康状態の改善と幸福感の向上、孤立感の軽減をもたらす。健康になることで人々が活動に参加し、活動に参加することで健康が増進されるという好循環につながる・・・

・・・高齢者のために新しい社会的役割をどうつくりだすかが、引き続き重要な課題になるだろう・・・