学校での同調圧力

11月10日の日経新聞「教育岩盤」は、太田肇・同志社大教授の「学校の同調圧力、創造性を阻害」でした。

・・・日本の学校には、子どもを枠にはめ、はみ出しを許さない風潮が根強く残る。同調圧力の研究で知られる同志社大の太田肇教授は「厳しいルールの下では子どもが自由なアイデアを考える余地がなくなる」と危ぶむ。

――子どもに同じ服装や行動を求める学校が多いのはなぜでしょう。
「服装や持ち物などを画一化した方が子どもを管理しやすい。授業も1クラス数十人の児童生徒に手際よく教えるには例外を認めずに同じ解法を教えた方が効率的と考えているのではないか」
「『他の子と一緒でなければいけない』という同調圧力は理不尽な指導につながる。日本の学校は親の転勤以外で子どもの転校は珍しく、教師も学校関係者以外との交流が少ない。人の流動性が低いため多様な意見に触れる機会が乏しく、理不尽さに気づきにくいのも特徴だ」

――規則重視の指導の弊害は何でしょう。
「厳しいルールの下では子どもが自由なアイデアを考える余地がない。技術革新で世界が急速に変化する中で、日本の教育を受けた人材が世界の潮流についていけなくなると懸念している」
「高度経済成長期のように大量生産型の産業が中心だった時は、規則を守り正確な手順で作業できる人材が必要だった。現代はコンピューターや機械がその役割を担う。いま求められているのは高度な思考や自由な発想ができる人だ。厳しい規則で子どもを管理しても、創造性は生まれない」・・・