進化する職場の机配置

10月11日の朝日新聞夕刊「凄腕しごとにん」は、「岡村英司さん 刷新したオフィス、5万坪」でした。良くない例として、役所の机配置が出てきます。

・・・カフェの周囲に、机を不規則に並べた。出入り口の数は絞り、動線をコントロール。一見、使いづらそうだが、社員同士が立場や部署を超えてふれ合いやすい。
まるで家のリビングのようなオフィスは、顧客企業である金融機関からの依頼でデザインした。合併で大きくなった金融機関から、旧組織の出身者の間にある心理的な距離を縮めたい、との要望があった。
オフィスのデザインを受注したら、顧客企業の経営者に必ず聞く。「どんな会社にしたいのか」「何を実現したいのか」・・・

・・・親会社の三井不動産でオフィスの営業をしていた10年ほど前までは、空間デザインとは無縁だった。がらんどうの建物に客を案内し、部屋のスペックを説明し、貸し出す仕事を重ねた。貸出先では役所のような島型のデスクを多くの社員が囲んでいた。社員管理が優先され、働き手が不自由に見えた。
雑誌で紹介された米国のIT企業のオフィスに衝撃を受けた。真ん中の吹き抜け空間に、らせん階段があった。階段の中心にいる社長が社員に対し、経営方針を肉声で伝えるためのデザインという。
オフィスをただ貸すのではなく、新しい価値を提供したい――。担当するオフィスビルにさっそく家具を持ち込み、モデルルームを作った。見よう見まねで始めたオフィス改革が、いまや本業となった。
人と人がフラットに出合い、リラックスして話すと、アイデアが生まれ、イノベーションが加速する――。世界中のオフィスをめぐって得た確信だ・・・