官僚の役割、構想をつくる

NHKウエッブサイトに、「自由で開かれたインド太平洋誕生秘話」(6月30日掲載)が、載っています。
自由で開かれたインド太平洋」は、中国の台頭を意識して、インド洋と太平洋を繋ぎ、アフリカとアジアを繋ぐことで国際社会の安定と繁栄の実現を目指す構想です。日本が提唱し、アメリカなども賛同しています。この構想を外務官僚が考え、総理が採用し、アメリカに働きかけた経緯が、記事で紹介されています。

日本の将来のために、広い視野で進むべき方向と、そのための対策を考える。そのためには、現状の分析と、今後の動きを予測する必要があります。予測だけでなく、目標に向かって何をすべきかを考えなければなりません。理想論だけでは実現しません。
構想を練ることは、重要な仕事であり、力量が試される仕事です。そして、その案を関係者に理解してもらい、採用してもらう必要があります。それは、やりがいのある仕事です。先日このホームページで紹介した、黒江・元防衛次官の防衛計画の見直しも同じです。
目の前の課題を片付けること、課題を見つけて対策を考えることとともに、構想を考えることは、官僚の重要な仕事です。

この記事では、その発案者である市川恵一・外務省北米局長(当時は総合政策局総務課長)が、取材に応じています。「現役の官僚が実名で取材に応じ、記事になるのは珍しいのではないか」と、この記事を教えてくれた人は付言していました。