2021年5月27日日本記者クラブ資料、1

2021年5月27日に日本記者クラブで使った骨子を、載せておきます。その1です。

「政と官-21世紀の官僚の役割」
今日のお話=私の体験から見た官僚機構の変化
平成の30年間。高かった官僚の評価の下落と、官僚の自信の喪失
何が変わったか。社会が変わったのに、変われなかった官僚。
1 40年間の官僚経験「その間の変化」
2 地方自治体での幹部経験から見た「自治体での政と官」
3 省庁改革本部で参画した「統治構造改革」
4 内閣官房(再チャレンジ政策担当)で見た「取り残された人たち」
5 総理秘書官から見た「政と官」
6 東日本大震災被災者生活支援本部と復興庁での、前例のない課題への対応「課題整理と組織作りと運営」「生活者支援」

Ⅰ 官僚の問題と批判の整理
1 3つの次元
重大なのは、(3)社会での役割。期待に応えていない。
(1)倫理=不祥事。主に個人の問題
(2)仕事の処理=事務の失敗。主に組織の問題
(3)社会での役割=政策の失敗。官僚機構全体の問題

2「方向性を失った」官僚機構
原因は二つ
(1)成熟社会での役割の模索=明治以来1世紀余り続いた役割の転換
日本は発展途上国から成熟国家へ
先進国に追いつくために、官僚の果たした役割は大きかった。
制度輸入・国内普及型行政。公共サービス提供と産業振興。
発展に成功し、追いつけ型行政が終了
次は、成熟社会日本の問題に取り組む必要
制度輸入でなく、国内問題の拾い上げと対策

(2)政治主導での官僚の役割=20年間の模索
2001年省庁改革が目指したもの。官僚主導から政治主導へ
未完の政治改革=制度改革は実現、運用が課題
政治主導への転換は一定の成果。各省間の縄張り争いの解消、内閣官房による特定課題への取り組みなど
政治家と官僚の役割分担の再編中
大臣と官僚の関係、総理と大臣の関係、与野党と官僚の関係
政治家が官僚機構を使いこなしていないとも見える。

その2へ続く