年別アーカイブ:2020年

講演の準備

2020年6月18日   岡本全勝

コロナウイルスの影響で、3月から6月に予定していた講演などが、中止や延期になりました。
「ビデオでやりませんか」というお誘いもありました。かつてビデオ収録をしたこともあるのですが、観客がいないと、どうも乗りません。で、今回はお断りしました。
知人の大学教授たちに聞くと、皆さんオンライン授業をしておられます。やってみると、慣れるとのことです。

私の講演会は、いくつかは延期して、対面で行うことになりました。
それで、話す内容やレジュメの準備を始めました。久しぶりに行うとなると、勘が戻りませんね。話す内容と配る資料などはかっちり作るのですが、話す際にどこでどれくらいの時間を使うかです。良く準備しないと、壇上で立ち往生するかな。

幼児教育の重要性

2020年6月17日   岡本全勝

6月14日の読売新聞、「新型コロナ 迫られる変化」、山口慎太郎・東大教授の「今こそ 家族に優しい社会へ」から。
・・・学びの場が大事だという点で特に強調したいのが、幼児への教育は社会全体にとって非常にメリットが大きいということです。
私の研究グループが国の調査データを分析したところ、家庭的、経済的に恵まれない家庭の子どもが保育園に通うと、多動性、攻撃性が減ることがわかりました。本人の学力の向上に役立つのはもちろん、少年犯罪の削減につながります。
幼児教育の効果を長期にわたって検証した米国の研究によると、きちんとした幼児教育を受けた人はそうでない人に比べて所得が高く、犯罪に手を染める回数が減り、生活保護の受給率が下がりました。幼児教育プログラムの費用対効果は、株式投資による収益率を上回ったのです。
一方で、各国の実証研究では、幼児教育の知能面への効果はそれほど長続きしないこともわかっています。いわゆる英才教育は実施直後には大きな効果が表れるのですが、小学校に入学後、数年たつと消えてしまう。幼児教育ではやはり、対人関係を築き、課題に対してきちんと対処するという「一生モノ」の能力が身につくことが大事なのです・・・

・・・やはりまだまだ、国として幼児教育に十分お金を使っていないと思います。国内総生産(GDP)に対する家族関係支出を見ると、スウェーデンなどトップクラスの国が3%台なのに対し、日本は1%台半ばで、先進国では低い方です。まずは目先の待機児童の解消のため、施設の整備、人材の確保にお金を振り向けるべきですし、将来的には義務教育年齢の引き下げも検討すべきでしょう。
自分には子どもがいない、子どもを持つつもりはないという人にも考えてもらいたい。自分が年老いた時、介護サービスや年金などの形で支えてくれるのは子どもの世代です。幼児教育の効果ははっきりしており、そこにお金をかけるのは誰にとっても利益があることなのです・・・

愚行の歴史

2020年6月16日   岡本全勝

6月14日の朝日新聞、日曜に想う、福島申二・編集委員の「あるべきアメリカ 求める人々」から。

・・・アメリカとは、最高裁判所の長官がこんな名言を残す国でもある。
「私はいつも新聞をスポーツ面から開いて読む。そこには人間の成し遂げたことが載っている。1面は人間のしでかした失敗ばかりだ」
ことばの主、故アール・ウォーレン氏は米司法界の大重鎮で、ケネディ大統領暗殺を調査した「ウォーレン委員会」にもその名を残す・・・

コロナウイルスの免疫

2020年6月16日   岡本全勝

先日、コロナウィルスの免疫はまだまだ広がらないという記事を書きました。「コロナウイルス陽性率
今日のNHKニュースでは、抗体保有者まだ0.1%です。

・・・厚生労働省は、今月1日から7日にかけて人口が一定規模ある地域のうち、10万人当たりの感染者数が最も多い東京と大阪、最も少ない宮城の3都府県で、無作為抽出した20歳以上の男女合わせて7950人を対象に、新型コロナウイルスの抗体検査を実施しました。

新型コロナウイルスに感染したことがあるかどうかを調べる抗体検査について、今月、厚生労働省が3都府県でおよそ8000人を対象に実施したところ、抗体を保有していた人の割合は東京都で0.1%、大阪府で0.17%、宮城県で0.03%だったことが分かりました・・・

0.1%ということは、99.9%の人が、まだかかっていないということです。世間話で99.9%と言うと、「まずない」という意味ですが。でも、東京都の人口を1400万人とすると、1万4千人は抗体を持っているということですね。

野党の役割

2020年6月15日   岡本全勝

6月13日の朝日新聞オピニオン欄、国際政治学者の・原彬久さんへのインタビュー「安保60年、続く対米依存」から。本筋とは離れますが。
――野党勢力は60年安保から何を学んだのでしょうか。
当時の最大野党は日本社会党です。安保改定を阻止できなかったのに大衆運動が高揚したため、なにか勝利したかのような気分が生じてしまった。その高揚感の残像が災いしました。
社会党が総選挙で取った最大議席は、岸政権下の58年5月の166議席です。岸が60年7月に退陣し、その4カ月後の11月に総選挙がありました。直前に社会党委員長の浅沼稲次郎が暗殺されるというテロがあった。安保の高揚、社会党への同情票への期待など、有利な要素はあったのに、145に議席を減らした。経済重視に転じた自民党に勝てなかった。
非常に象徴的です。60年代の日本は高度成長時代で、労働者は豊かになり、中産階級意識を持つようになります。しかし、社会党は労組頼みの社会主義政党から脱皮できなかった。60年に社会党から分裂した民社党も伸びず、資本主義の枠内での『構造改革』を目指した江田三郎らの動きも行き詰まりました。

――これは単なる昔の話ではありませんね。日本では、なぜ野党が育たないのでしょうか。
野党自体の責任に加えて、国民の意識やメディアにも問題があると思います。我々日本人には依然、『寄らば大樹のかげ』の意識が強いのではないでしょうか。自民党が国民の要望を幅広く吸い上げる包括政党になったため、野党には政権批判だけを期待する。野党を育てて政権を任せようとは考えない。
メディアも政党間の違いばかりを強調する。むしろ違いが大きくないから政権交代が可能なのです。交代することが権力の腐敗を防ぐのです。いつでも政権交代できる相手の存在を認めながら、譲ってなるものかと争うのが、本来の政党政治でしょう。