年別アーカイブ:2020年

いのちの電話、運営困難

2020年10月21日   岡本全勝

10月13日の読売新聞夕刊が「いのちの電話 運営ピンチ」を伝えていました。
・・・新型コロナウイルスの影響で、自殺を防ぐため電話相談に応じる各地の「いのちの電話」で、相談員不足が深刻化している。コロナ禍で生活苦や家庭内暴力(DV)などの相談が増加傾向にあるが、電話がつながりにくい状態が続いており、各団体が頭を悩ませている・・・

・・・一方、年中無休・24時間の相談体制は、外出を控える高齢の相談員もいるため縮小している。団体は仮眠室での感染を防ぐため4~8月、深夜・早朝の相談を休止した。
・・・背景には、コロナ禍による影響に加えて、慢性的な人手不足がある。
全国の相談員は2001年の7933人をピークに減少傾向にあり、現在は約5900人にとどまる。相談件数は東日本大震災などの影響で12年に約75万8000件に達したが、昨年は約62万件だった。佐合信子・事務局長は「相談が減っているわけではなく、相談員の減少で対応し切れていないのが実情」と明かす・・・

いのちの電話の解説もついています。「ロンドンで始まった自殺予防のための電話相談を参考に、1971年にドイツ人宣教師が東京で始めた。センターは43都道府県に50か所あり、各地の社会福祉法人やNPOが運営している。相談件数は年間60万件以上。運営費は寄付や行政・民間の助成金などで賄われている」とのことです。
大震災の際にも、いのちの電話には協力をいただきました。「よりそいホットライン

善福寺川公園のオオタカ

2020年10月21日   岡本全勝

時々、いつもの散歩に出かけています。方向や時間の長さによって、いくつか経路を決めてあって、その日の気分で選んでいます。
先日、久しぶりに善福寺川公園を歩いていたら、数人の人が高い木を眺めています。聞くと、オオタカがいるとこと。指さしてもらったところに、確かにやや大形の鳥が見えます。こんな都会で生きていけるのだと、感心しました。

家に帰って、オオタカの写真を調べたら、確かに胸の模様が同じです。大きさはカラスと同じくらいなのですね。さらに、インターネットには「善福寺川のオオタカ」という、2019年の観察記録が載っていました。
ご近所の「ダーウィンが来た」でした。

官邸の怪人、「民」と出会った衝撃 復興の現場で。その3

2020年10月20日   岡本全勝

朝日新聞「官邸の怪人、「民」と出会った衝撃 復興の現場で」」の続きです。朝日新聞ニュースレター「官邸の怪人、「民」と出会った衝撃 復興の現場で 」(10月11日配信。秋山訓子編集委員執筆)が、朝日新聞ウエッブサイト・アナザーノートに掲載されました。内容は同じもののようです。会員制ですが、記事下にあるように無料登録するか、文末「関連ニュース」の右下のリンクからアナザーノートに無料登録すると、全文が読めます。

この記事を読んだたくさんの人から、ねぎらいや励ましのお便りをいただきました。ありがとうございます。いくつか紹介します。少し改変してあります。
・官僚も、すばらしい仕事をしてることがわかりました。
・官僚の悪口ばかりが目につく時代に、この記事を読み、うれしくなりました。
・今後ますます「怪人」ぶりを発揮して、世の為に腕を振るってください。
・記事の最後の文章、「「政」と向き合い、時に翻弄された「官」の人生は、終盤に「民」と出会ってさらに豊かに深くなった」がよいですね。
・NPOが、被災者支援や復興をはじめ行政と協働するのは当たり前になりましたが、このようになったのは東日本大震災からだったことを思い出しました。

中には、次のようなものも。
・秋山記者の筆力で、臨場感がありました。引き込まれました。
・主語が「岡本氏」になっていますが、「ぜんしょうさん」の間違いでは。
・岡本さんの発言が、関西弁ではありません。

裏口からの外国人受け入れ

2020年10月20日   岡本全勝

東京大学出版会の広報誌「UP」8月号に、宮島喬先生の「日本はどんな外国人労働者受入れ国になったか 改正入管法から三〇年」が載っていました。

日本は、移民政策は採らない=外国人労働者の受け入れは制限するとしています。しかし実態は、外国人労働者を受け入れる政策をとっているというのが、この論考の趣旨です。人口減少と高学歴化で、産業界から労働力不足を訴える声が高まり、さまざまな制度改正をして受け入れてきたのです。その際に、高技能や専門能力のある外国人だけに制限するといいながら、抜け道があったのです。

1989年の入管法改正では、単純労働者は受け入れないこと(受け入れはごく一部の職種)が維持されつつ、「定住者」という在留資格を新設し、日系三世に充てられました。その後2年足らずで、日系ブラジル人とペルー人の来日・滞在者数は、15万人も増えました。「マジックか、二重基準なのか」と、先生は書いておられます。
しかし、日本語教育や職業研修は行わなかったので、彼らは派遣業者に頼って来日し、非正規の雇用に就き、労働者の基本的権利がなくとも甘んじて働いた(働かされた)のです。留学生のアルバイトや技能実習生も、同様に抜け道として機能しました。

労働者の送り出し国との間に二国間協定を締結するかしないかも、取り上げられています。日本は、労働者の受け入れを表明していないので、二国間協定を結ぶことはありません。しかし、二国間協定では、労働者の受け入れ条件(待遇などの労働条件、労災・雇用保険の適用、住宅、医療、年金などの内国人労働者との平等扱い)を定め、雇用契約に盛り込み、労働者の権利を守るのです。
建前を守りつつ、実態では漸進的に変えていく。これは、しばしば行われる手法です。これが、軋轢を少なくし、そして実を取ることに有効な場合があります。しかし、このような裏口入学(先生はサイドドアと言っておられます)は、副作用を伴うことがあります。
外国人労働者受け入れでは、この労働者の権利を守らないというとんでもない行為が行われています。非正規、低賃金、保障のない雇用が行われているのです。これでは、国際社会から批判を受けるでしょう。
詳しくは原文をお読み下さい。
10月20日の日経新聞経済教室、斉藤善久神戸大学准教授「生活者としての環境整備を 外国人労働者政策の課題」も、この問題を取り上げていました。

働かない職員を作る職場

2020年10月19日   岡本全勝

ある若い公務員が職場を移り、新しい職場の特殊性を報告してくれました。「どうしてこの職場は、職員が仕事を積極的にしないのか」という驚きです。

・答弁作成が割り振られそうになると、まずは「それは私の仕事(私の課の仕事)ではない」という理屈を考える。防衛に成功すると、褒められる。
・新しい仕事に取り組む際に、他部局に問い合わせて確認することを渋り、「ああかな、こうかな」と想像している。
・解決策を考える際に「効率的か」「論理的か」というより、「批判されないかどうか」に重きが置かれている。
・問題点の評論はするが、解決策は提示しない。

そして、「『明るい公務員講座』に書かれているような、悩まないで仕事をする方法、効率的な仕事の方法は、実践されていません」とも。
う~ん、職場の風習「社風」は恐ろしいものです。仕事が人を作るといいますが、職場も人をつくります。よい方にも、悪い方にも。「朱に交われば赤くなる」ですが、黒くなる場合もあります。