イギリスの中学校

ブレイディみかこ著『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(2019年、新潮社)を読みました。読まれた方も多いでしょう。
イギリスから帰ってきた知人が、ぜひ読むようにと勧めてくれました。彼も、ロンドンで子育てをしました。書評でも高い評価を受けていたので、読もうかと思っていたのですが、ほかの本を優先していました。彼の勧めと、先日取り上げた『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』(イギリス労働者階級の昨今)が予想以上に面白く勉強になったので。

一言でいうと『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』の子供版です。イギリスが移民からなる国になっていて、白人間の階級差に加え、移民たちが多い地域では、複雑な社会ができています。
著者の息子さんは、裕福な人たちが通う名門小学校から、元底辺中学校(かつては貧しい人たちが通う学校が、教師たちの努力で改善された学校)に通います。そのことによって見えてきた、イギリスの地域社会の現状です。
「白人は豊かで、移民が貧しい」のではありません。移民の中には上昇志向の高い人たちもいます。白人に貧しい人も多いのです。所得格差、イギリス人と移民、白人と黒人とアジア人、そして混血。さまざまな境遇の人たちがいます。

とても勉強になりました。日本では多くの学校が、すぐにはこのような状況にはならないでしょうが。今後、定住外国人が増えれば、このような状況は生まれてくるのでしょう。

半月以上前に読んだのですが、他の記事を書くのにかまけて、先送りしていました。もっといろいろなことを考えたのですが、時間が経つと、記憶が薄れてしまいました。ダメですねえ。このほかにも、読んだのにまだこのページに書いていない本が、数冊あります。