経産省、伴走型支援

2月11日の日経新聞東京経済欄に、「関東経済産業局、伴走型で中核企業育成」が載っていました。
・・・関東経済産業局が地域の中核企業の育成で新たな手法を試行している。企業の悩みに応じて解決策を提案する「ご用聞き」型の支援を脱し、経営者が気づかない課題を発掘して自発的な変革を促す伴走型のコンサルティングを導入した。各地で本格展開を目指すが、成果を生むには経営者と誠実に向き合う根気が不可欠で、現場の職員らの本気度が問われる・・・

2019年6月から、経産局職員と公募で選んだ民間コンサルタントによる官民合同のチームが、企業を訪問し、支援を続けています。
この手法は、福島の原発被災地で、経産省が取り組んだ「福島相双復興推進機構(福島相双復興官民合同チーム)」で開発されたものです。記事にもあるように、角野然生・関東経産局長が、福島で作った手法を持ち込みました。

拙稿連載「公共を創る」第19回で、この手法を取り上げました。被災地の事業者には中小や零細な人も多く、産業振興制度を作っても活用できないことも多いのです。
ひるがえってみると、これまでの産業政策は、振興計画や補助金などが主な手法でした。国が制度を作り、希望する企業が応募します。大企業相手ならこれでよかったのですが、小さな事業者では、応募するだけの能力を持っていません。今回始めた、個別支援・伴走型支援は、画期的だと思います。

もちろん、成果を出すためには、記事でも指摘されているように、継続が必要です。しばしば指摘されるように、「法律や補助制度を作ったら終わり」というこれまでの行政では、成果は出ません。その点でも、新しい行政の手法が試されています。