年別アーカイブ:2019年

官僚論、野口教授「政党政治の劣化が問題」

2019年8月9日   岡本全勝

8月8日の日経新聞経済教室は、野口雅弘・成蹊大学教授の「官僚制の劣化を考える(下) 政党政治の劣化こそ問題」でした。

・・・このようなウェーバーによる官僚制の「理念型」は、日本の現実政治には適合しない、といわれてきた。米国の社会学者、エズラ・ヴォーゲル氏の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」や国際政治学者、チャルマーズ・ジョンソン氏の「通産省と日本の奇跡」など、高度経済成長期の日本政治を論じた海外の研究は、こぞって日本の官僚組織の優秀さを讃えた。
しかし、ここでの優秀さは、政策形成における「目的」の設定という、本来であれば政治家が行うべき「仕事」までもが、選挙によって選ばれたわけではない、従って民主的なレジティマシーのない官僚が行っていることを肯定した上での評価であった。こうした官僚制は、いわゆる「ウェーバー的な官僚制」モデルからすると、逸脱した形態ということになる。

行政改革では、以上のような政官関係が是正され、「政治主導」が強化されてきた。この流れは橋本行革から、「官から民へ」を掲げた小泉政権、「脱官僚宣言」を唱えた民主党政権を経て、安倍政権における内閣人事局の創設にまで至った。テクノクラート(高級官僚)の支配はいまや完全に過去のものになったといえるだろう。
しかしながらその結果、政治家が決定し、官僚が中立的かつ効率的に行政を行う、というウェーバー的なモデルに現実が近づいたのかといえば、どうやらそうではなさそうである。官僚制の「劣化」といわれるのは、まさにこの局面にかかわっている・・・

・・・現代の官僚制を測るモノサシは、高度経済成長期のレジェンドとして語られる官僚ではない・・・
・・・政策をめぐる競争が形式だけになり、「忖度」する以外に自己実現の道が閉ざされつつあるなかで、官僚の「忖度」を「劣化」呼ばわりして非難するというのでは、あまりに彼ら・彼女らが気の毒である。問題は官僚組織の側ではなく、競争が名ばかりになっている政党政治の側にある・・・

避難町議会、住民の意見を聞く

2019年8月8日   岡本全勝

浪江町の議会報告会が開かれ、住民と意見交換をしたと、報道されていました(NHKニュース)。
市町村の首長と執行部や議会が、住民から意見を聞く場は、多くの自治体で行われています。浪江町など原発被災地の自治体の違いは、町外でも開くということです。多くの住民が町外で避難生活をしているので、そちらに出向くのです。
富岡町双葉町大熊町

福島、国と地方の協議会

2019年8月8日   岡本全勝

今日は、福島市で「原子力災害からの福島復興再生協議会」を開きました。国と地方とが、復興について意見交換する場です。法律に定めてあるので、「法定協議会」と略称しています。
今回で、19回になります。国からは、復興大臣、経産大臣、環境大臣ほかが出席しました。福島において、大臣が出かけていって意見交換することに、意義があります。

着実に復興は進んでいるのですが、まだまだ課題は多いです。
避難指示が解除されていない地域があること。解除されても、住民が十分に戻らないこと。また、原発という主たる産業がなくなった後、何でこの地域の暮らしを成り立たせるかなど。難しい問題があります。地域の中も、復興状況に差があり、一律の議論はできません。
資料は、追って載ります。

官僚論、田中教授「能力で選抜を」

2019年8月7日   岡本全勝

8月7日の日経新聞経済教室は、田中秀明・明治大学教授の「官僚制の劣化を考える(中) 能力で選ぶ原則徹底せよ」でした。主要先進国の区分(開放型か閉鎖型か、政治任用か資格任用か)がわかりやすいです。

・・・ただし、これは安倍政権で新たに生じた問題ではない。政策過程で政治家や業界との利害調整を担ってきたのが官僚だからである。国家公務員法は、一般公務員の政治的中立性や能力・業績に基づく任命を規定するが、実態は原則から乖離している。例えば、同法は採用時のみならず昇進においても競争試験を原則としていたが、ほとんど行われていない・・・

・・・それではどうすればよいか。公務員制度は、公務員に何をさせるかという哲学に基づいている。2つの方法があり、能力で選ぶ資格任用か、政治家が選ぶ政治任用かである。前者では専門性に基づく分析や検討が重視され、英国が代表例である。後者では政治的な調整が重視され、米国が代表例である(図参照)。ただし、英国でも政治任用の首相や大臣の特別顧問がいるし、米国でも部課長までは資格任用が原則である。
日本の問題は、一般公務員は資格任用が建前なのに、現実には政治任用しうることである。また、外部からの登用も限定されてきた(閉鎖型)。英国では首相・大臣に公務員の直接的な人事権はない。政治家を忖度しないようにするためだ。他方、資格任用を貫くため、幹部は特に公募が重視されている(開放型)。
政治主導のために政治家が公務員人事を行うべきだとしばしば言われるが、米国のように大統領が好き嫌いで行う人事でよいのか。幹部公務員となるためには、特定の政治家との関係が重要になる独仏のような政治任用もあるが、政権交代で失職する幹部のため、天下りや手厚い年金が必要となる・・・

・・・見直しの第一は、幹部公務員の選抜方法である。現在は、約600人の幹部候補者名簿から選ぶ仕組みとなっているが、これでは恣意的な人事になりかねない。局長などポストごとに能力・業績を満たした3人程度の名簿の中から首相らが選抜するようにすべきである・・・

福島は猛暑と豪雨

2019年8月6日   岡本全勝

今日6日の福島市は、最高気温が36.9度だったそうです。外に出る仕事があったのですが、日差しがきつく暑かったです。東北地方なのですが、盆地なので夏暑く、冬はさらに寒いです。だから、桃が甘くなるのだそうです。
16時過ぎには、すごい夕立が。横殴りの豪雨、雷も鳴って、とても外に出ることができませんでした。

梅雨明けまでは、気温もそんなに上がらず、雨や曇りの日が続きました。梅雨明けが去年より30日遅れた後は、夏の天気が、その分を取り戻そうとしているのでしょうか。