年別アーカイブ:2019年

教員の魅力の低下、やりがいと実態と

2019年10月11日   岡本全勝

10月7日の朝日新聞記者解説、氏岡真弓編集委員の「教員のなり手が減少 「ブラック職場」敬遠、対策も後手」から。

・・・教員のなり手不足が各地で問題となるなか、実態を調べようとした。
結果は予想より深刻だった。今年度から働き始めた公立小中学校教員向けの採用試験の受験者は、全国で約9万8千人。2012年度の約12万2千人から約2万4千人減っていた。さらに動きがあったのは、採用者に対する受験者の割合(競争倍率)だ。近年は採用人数が増えていることもあり、今年度は小学校が約2・8倍、中学校が約5・5倍と、00年度の約12・5倍、約17・9倍から大きく落ち込んだ。
非正規の教員のなり手が見つからない件数はどうか。今年5月1日現在、全国で1241件が配置されていなかった。教育委員会が独自に進める少人数学級の担当や病休、産休・育休をとっている教員の代役などが見つからないためで、教頭が代わりに授業をしたり、少人数学級をあきらめたりする学校が出ている・・・

・・・ 非正規教員の需要も拡大してきた。小泉政権が進めた規制改革のなかで、教員の人数や給与は自治体が決められるようになり、少人数学級などの取り組みが広がった。しかし自治体の財政は厳しく、多くの場合は安い給与で雇える非正規に頼ることになった。
その間、教員をめぐる状況は厳しさを増してきた。学力向上、いじめや不登校の指導、保護者への対応、部活動、事務仕事……。社会や政治からの要請にともない、学校の役割は膨らみ、教員の仕事も増えてきた。
文科省は06年、40年ぶりに勤務実態調査を行ったが、目的だった教員の給与改革が頓挫すると、成果は活用されなくなった。働き方が問題となって、改めて実態を調査したのは16年。労働時間が06年の調査よりさらに増え、小学校教諭の約3割、中学校教諭の約6割が「過労死ライン」に達していた・・・・

消費税アレルギー

2019年10月10日   岡本全勝

10月9日の朝日新聞、原真人編集委員の「価格を科学する 消費税コミコミの新発想」から。
・・・企業も合理的な行動をとった。マクドナルドや牛丼のすき家、松屋は店内飲食と持ち帰りの税込み価格をそろえた。レジで会計のたびに税率を振りわけるのでは手間がかかりすぎる。だから本体価格を変えることで、税込み価格を一本化した。
ここからくみ取れること。それは消費税も「価格」の一要素にすぎないということだ。日本ではあまりにも消費税アレルギーが強すぎて、増税の影響を過大に見る傾向がある。ここは発想の転換が必要だろう・・・

・・・たとえば消費税廃止にともなう代替財源の一つとして、山本氏は法人税の大増税をあげた。だが実は消費税だって事業者がまとめて税務署に納める一種の法人税だ。仮に消費税廃止で生じる財源の穴をすべて法人税増税で埋めたとしても、理屈の上では全事業者が納める税総額は変わらない。
事業者が払うあらゆる税は最終的に何らかの形で消費者に転嫁される。消費者だけが得をする、ということにはならない。
いま、消費の現場では消費税率アップさえ多くの価格変動要因の一つにすぎなくしてしまう画期的な価格革命が起きている。
「ダイナミックプライシング」。人工知能を活用し、需要にあわせてアルゴリズムで弾力的に価格を変えていく手法だ・・・

・・・興味深いのは、ダイナミックプライシングが導入されているチケット販売は、消費増税に影響されにくいことだ。いま最適な最終価格をまず決めるから、販売したあとに消費税額を逆算する。だから消費税率の変更をあまり意識しなくてすむらしい。
いわば「消費税後決め方式」。これが広く普及すれば「消費増税は景気に影響する」などと決めつけられなくなるだろう。消費者物価指数ひとつでインフレだデフレだと一喜一憂しなくなるかもしれない・・・

全文をお読みください。

電子メールアドレスなりすまし対策

2019年10月10日   岡本全勝

先日、私の電子メールアドレスがなりすましにあい、アドレスを変える必要があることを、このホームページに書きました。関係者に、その旨と新しいメールアドレスを通知したら、何人かの方から、次のような返事が来ました。
「了解しました。でも、このメールは「なりすましメール」ではないんでしょうね。なりすましかどうか、どうやって判断したらよいのでしょうか?」

この反応には、絶句しました。あり得ない話ではありません。そこで、専門家に質問しました。その答は、おおむね次の通りです。

「通常は文面と宛先を確認し、メールの送信者が間違いないものか判断いただくしかありません。
次のような方法で、ヘッダーの記載が怪しいものではないか確認するという方法がありますが、大量のメールをいちいち確認することは難しいです。
https://togeonet.co.jp/post-6135
プロバイダ契約等のサービスで、迷惑メールに関するサービスを受けていれば、ヘッダーに記載されているサーバー情報に疑義(詐称)があるので、業者から隔離情報を受けることとなると思います」

参考にしてください。なお、一番怪しいのは、自分宛に自分からメールが来ることだそうです。

荷物が増え鞄が大きくなっている

2019年10月9日   岡本全勝

10月6日の日経新聞文化欄、恩田陸さんの「荷物が重い」が、面白かったです。
・・・私の記憶では、当時(恩田さんがOL時代、バブル期と書いておられます)は会社の先輩方を含め世間一般(むろん、職種にもよるのだろうが)、皆荷物が少なかったように思う。男の人たちはほぼ手ぶらだし、お姉さま方のハンドバッグはおしゃれで小さく、なぜあんな小さいバッグに全てが収まるのだろうとずっと不思議に思っていたものだ。
ところが、携帯電話が登場し、ノートパソコンが個人に普及し始めた辺りから皆がカバンを持つようになった。そのカバンも、じわじわと男女を問わず大きくなっていった気がする。ペットボトル飲料が登場し、気軽に持ち運べるようになったことも大きい。
現在、街を歩けば老若男女を問わず、リュックサック率の高さに驚く。しかも、どのリュックもかなりごつくてボリュームがある。かつてリュックサックと言えば、登山、ハイキング、買い出し。重い荷物を象徴していたが、確実に現代人の持ち物は重くなっている・・・

・・・そう、私のリュックは今も重い。けれど、それは今でもやはり本とノートのアナログの重さだ。どういうわけか、本の重さは気にならないのに、パソコンや端末の重さはひどく堪えるのである。なので普段はなるべく携帯電話以外持ち歩かないようにしている。しかし、数日間家を留守にしなければならない時は、パソコンを持ち歩かなければならないのが憂鬱だ。それはつまり、充電器やアダプターなどの付属品を持ち歩かなければならないということである。
最近、私は本体よりもそれらの付属品が苦手だということに気付いた。思うに、どれもケーブルでコンセントに繋げて電気を請わなければ使えないという、文字通り「紐付き」であるところに、何かに支配されているような抵抗を感じているのかもしれない・・・

同感です。前段の、30年前に比べて、男性も女性も鞄が大きくなったのは、なぜでしょう。
後段の、パソコン本体より充電器などが重いのは、旅行の旅に実感しています。パソコン本体は軽いのを選んだのですが・・。

原発被災地での新たな農業参入

2019年10月9日   岡本全勝

東北農政局の「震災復興室だより」9月号は、被災12市町で新たに農業をはじめた方の特集です。
詳しくは、それぞれの記事を読んでください。皆さん、厳しい条件の下で、頑張っておられます。

ここでわかることは、園芸作物には技術が必要で、米作りには大規模化が必要だということです。
かつての農業は、農家の息子が、田んぼとともに親の後を継ぎました。そして、受け継いだ農地で米を作ったのです。しかし、この半世紀の間に、大きく様変わりしました。稲作は生産効率が上がり、また相対的に価格が下がったので、昔ながら小規模農家では食べていけません。稲作で食べていくなら、大規模化が必須です。家業から事業に転換する必要があります。
他方で、園芸作物は高く売れます。しかし、片手間仕事でできる稲作と違い、技術、資本、そして毎日の労働が必要です。簡単な作業ではないのです。

毎年の新規営農者は、とても少ないです。家業を子供が受け継ぐという旧来の意識では、成り立たなくなっています。ここに、日本の農政の失敗があります。
事業として、従業員を雇って経営するという、発想と仕組みに変えていく必要があります。この半世紀に、日本が経験した「社会の転換」の一つの要素です。そして、手当てが遅れました。
家業から事業への転換が必要だということは、商工業でも同様です。商店街の個人営業の店がなくなり、チェーン店に変わっているのです。