年別アーカイブ:2019年

伊藤元重先生、人生3段ロケット論

2019年11月29日   岡本全勝

11月24日の日経新聞日曜版インタビューは、伊藤元重先生でした。
東大経済学部大学院生の時に、アメリカのロチェスター大学に留学をします。その途中で、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで、森嶋通夫先生に会います。

・・・米国で最先端の勉強をするぞと意気込む一学生に、森嶋さんが貴重な言葉を投げかけてくれた。「それで一生やっていけると思ったら甘いよ」
森嶋さんが説いたのは「人生3段ロケット論」だ。研究者としてのエネルギーを若いころと同じように生涯持ち続けることは難しい。人生の中で何回か古いロケットを切り離し、新しいロケットに点火して生産性を維持せよという・・・

その後、伊藤先生がどのように古いロケットを切り離して、新しいロケットに点火されたか。それは、記事をお読みください。

欧米のエリート採用

2019年11月28日   岡本全勝

11月26日の日経新聞夕刊、海老原嗣生さんの「就活のリアル」は「超高年収新卒採用の課題 エリート選抜の根拠甘く 」でした。欧米のエリート採用の厳しさが、紹介されています。

・・・ブランド校の学生数が極めて少なく、少数精鋭となっている。米国の主要大学、ハーバードやスタンフォード、エール、プリンストンなどは文理合わせて1000人超の定員数だ。同様のフランスの名門グランゼコールは500人程度だろう。対して日本は慶応大学が7000人、早稲田大学にいたっては1万人にもなる・・・

・・・とりわけ米国のエリート採用は厳しい。リーダーシップ・プログラムという選抜システムがあり、入社後2年間に時限的プロジェクトを多々任され、それを修了した後に本採用となる。その間の脱落率は5割にもなる。ここまでやるから、エリート待遇も成り立つ。

日本の甘い甘い採用慣行の中に、形だけ欧米要素を取り入れてもうまくはいかない。こうした奇をてらう学生集めは、毎年打ち上げ花火として耳目を集め、しばらくすると消えていく。
雇用関連を見つめてもう30年になるが、いつもながら感じるのは大企業の人事は流行ものに弱いということだ。学歴不問採用、一芸採用、異能人材など一風変わった採用で耳目を集めたケースは多々ある。ただ、そんな小手先の施策は、決して良い結果は残していない・・・

この内容を見ると、日本は確かに甘いですわね。これまでは、それでやれたのです。しかし、競争相手のいなかった唯一の追いかけ国だった昭和の日本と、欧米だけでなくアジア各国と国際的に生き残りを賭けた競争をしなければならない令和の日本とでは、条件が大きく変わりました。
優秀な幹部を育てない会社は淘汰されます。では、地域独占企業である自治体はどうか?

中村健人・岡本正著『自治体職員のための災害救援ハンドブック』

2019年11月28日   岡本全勝

中村健人・岡本正著『自治体職員のための災害救援ハンドブック』(2019年、第一法規)を紹介します。
お二人は弁護士で、災害対応や防災に携わってこられました。
副題に「備え、初動、応急から復旧、復興まで」とあるように、時系列、場面ごとに、自治体職員が何をしなければならないか、何に注意しなければならないかを、簡潔にまとめてあります。

推薦文を求められたので、次のように書きました。
「どこでも起きる大災害。全ての自治体職員に学んで欲しい」
ここに書いたように、近年、各地で大災害が起きています。これまで安全だったと思われていた地域ででもです。
そして、自治体の仕事が増えています。かつては、避難所の開設、公共施設の復旧が主でした。近年は、避難所での暮らしの支援、仮設住宅の提供、災害ゴミの処理、事業再開支援など範囲が広がりました。かつての経験も、起きてからの対応も、それでは不十分になったのです。

自治体による認知症事故保険。民間活用

2019年11月27日   岡本全勝

12月26日の朝日新聞1面は「認知症の事故補償、広がる 自治体、保険料肩代わり」でした。
・・・2025年には認知症の高齢者は約700万人に増えると見込まれる。「認知症になっても安心して暮らせる街」への壁になるのが、賠償責任が問われるような万一のトラブルや事故のリスクだ。本人や家族の不安を軽減するため、民間の保険を使った事故救済制度を独自に導入する自治体が増えている・・・

・・・2017年11月に神奈川県大和市が全国に先駆けて導入し、18年度に5市町が続いた。19年度に自治体数は急増した。
神戸市は個人市民税引き上げ(1人400円)で年約3億円の財源を確保、新たな認知症支援策を打ち出した。このうち事故救済制度(賠償責任保険+被害者への見舞金)は4月運用開始。賠償責任保険の申込数は8月までに2893人。市によれば「他人の自転車を壊した」「店舗を汚した」などで3件の支給(約9700円~約13万8600円)があったという・・・

・・・認知症の人の事故の補償について検討した関係省庁による連絡会議は16年、「ただちに制度的対応を行うことは難しい」として、公的補償創設を見送った。こうしたなか、認知症の人や家族が安心して暮らせる街にするため、独自の補償制度導入に踏み切る自治体がでてきた・・・

官と民とで垣根が低くなっていること、協働することの例です。このうち、神戸市の事例はこのホームページでも取り上げました。

保険は、個人では負担できないリスクの被害を、大勢で負担しようとするものです。火災保険や自動車保険は分かりやすいですね。みんなに関わるものとして、健康保険、年金保険、介護保険もあります。民間会社によるもの(火災保険など)、政府が制度を決めて民間が運用するもの(自動車保険など)、政府が運用するもの(介護保険など)があります。
その点で、政府は究極の保険です。健康保険、年金保険、介護保険、失業保険などのほかに、生活保護や災害時の救助など、困った人を助けるのが政府の役割です。税金という「保険料」によってです。現在連載中の「公共を創る」では、詳しく解説しようと考えています。

ママさん漫画、原発事故風評対策

2019年11月27日   岡本全勝

原発事故はひとまず収束し、原子炉も安定的に停止しています。被災地も、一部を除き、住民の帰還が始まっています。それよりなにより、会津地方など福島県の多くの地域はそもそも放射線で汚染はされていません。しかし、まだ安心してもらえないこともあります。

復興庁や福島県などは、誤解を解くための広報を続けています。復興庁のホームページ主婦やお母さんにも理解してもらうこともしています。新たに、漫画「ママが行く福島ツアー」が載りました。ご覧ください。