年別アーカイブ:2019年

五百旗頭先生、防災復興庁の創設を

2019年3月8日   岡本全勝

3月8日の朝日新聞オピニオン欄に、五百旗頭真先生の「防災復興庁の創設 次なる天災の安全保障を」が載っています。
・・・この時代の日本に生きる者の責任として、私は新たな国の機関「防災復興庁」の創設を提言したい。
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興のため、2012年2月に現在の復興庁が発足した。震災発生から10年が経過する21年3月に設置期限を迎えるが、その後も、福島を中心に、継続的に取り組まねばならない課題がなお存在することは広く知られている。
しかし、ここで私が提言したいのは、すでに起きた災害からの復興だけではなく、これから起こることが予想されている南海トラフ巨大地震や首都直下地震といった「国難」ともいえる災害を、この国が乗り越えていくための体制づくりだ・・・

・・・これまで復興庁はよくやってきたと思う。しかし、他省庁から異動してきて数年で元に戻るのではなく、将来の大災害に立ち向かう防災復興庁には、腰を落ち着けて働く専門家が必要である。気をつけたいのは、新たな役所をつくるとなると、既存省庁のどの部門を移すのか、どの省庁が主導権を握るのか、といった官僚政治ゲーム的な関心が優越することだ。関東大震災の際に後藤新平内相が復興院という強大な新組織を試み、わずか4カ月余りで破綻した・・・

・・・財政面の課題も大きい。古くから復旧費は予算のやりくりや寄付で賄われた。近代の関東大震災や阪神大震災では大規模な公債という借金が中心だった。巨大な復興費を要する東日本大震災では、初めて復興税が加わった。被災地の復興のために国民が増税を受け入れたことは注目に値する。日本国民は被災を他人事とは思わず、全国民で支えることを了承した。それによって、将来の世代を津波から救うための高台移転や海辺のまちの多重防御といった創造的な復興が可能になった・・・
原文をお読みください。

市場と情報化が追い立てる競争と不安

2019年3月7日   岡本全勝

3月1日の朝日新聞オピニオン欄、佐伯啓思さんの「平成の終わりに思う にぎやかさの裏、漂う不安」から。

・・・この数年間で、市場競争はますますグローバルな規模へと拡張し、情報関係のイノベーションはさらに加速した。つまり、世界の国や人々の間の空間的な距離は縮まり、新しい技術開発はいっそう短時間になっている。その結果、一方では人々にグローバルな舞台が用意されると同時に、そのためにかつてない競争圧力にさらされ、イノベーションの加速は、これも人々に新たな可能性を開くと同時に、たえず時間との闘いを強いている。社会の流れについていけない者は多大なストレスを受けざるを得ないし、この変化と競争の真ん中にいる者も、もはや抜けだすことのできないメカニズムの自動運動のなかで疲れはててゆく・・・

・・・グローバリズムとイノベーションが一気に加速し、人々の自由は拡大し、カネもモノもあふれるなかで、人々が生きにくさを感じるのも当然だろう。自然に寄りかかれた価値や道徳観の崩壊、家族や地域や信用できる仲間集団の衰退、数値化できない人格的なものや教養的なものへの信頼の失墜、言論の自由の真っただ中でのPC(ポリティカル・コレクトネス=政治的正しさ)的正義による言論圧迫、それに対抗するかのような言いたい放題のSNS。「バベルの塔」に似せて言えば、神が人々に自由(好きな言葉をしゃべる自由)を与えた結果、言葉はもはや通じず(共通の規律や規範がなくなり)、バベルの塔はそのまま放置された、とでも言いたくなる・・・

ヤフーの災害弱者支援に出ました。

2019年3月6日   岡本全勝

インターネット会社のヤフーが、防災ダイバーシティという取り組みを始めました。「人の数だけ、備えがある」というのが趣旨です。『Yahoo!防災ダイバーシティプロジェクト

その広報資料に賛同者の欄があって、海堀安喜・内閣府政策統括官(防災担当)と一緒に私も出ています。ビデオもあります。
「内閣官房参与 福島復興再生総局事務局長 岡本全勝 URL:https://youtu.be/NxIHwXcgB8o

田村太郎さんの依頼を受け、引き受けました。
大災害の際に避難所を開設しますが、各人の条件に沿った支援までは行き届きませんでした。障害のある方、高齢者の方、ペットを連れた方、日本語が理解できない方・・。「災害弱者」と認識していましたが、十分な対応はできていません。ヤフーさんのこの試みは、ありがたいです。今後、市町村にも役に立つでしょう。企業が持つ技術を生かした、社会貢献です。

先日、復興庁の執務室で、取材を受けました。なるべくゆっくりと、わかりやすく話すことを心がけたら、ふだんとは別人の話し方になりました(苦笑)。背景は、国会議事堂です。