本作り、編集が雑に?

10月7日の日経新聞文化欄に、びっくりする記事が載っていました。
相次ぐ誤記や捏造なぜ……揺らぐ書籍の信頼 出版点数増、編集現場にしわ寄せ」です。取り上げられた2つの出版社とも、日本を代表する本屋さんですから、驚きは大きいです。

深井智朗さんの事件は、新聞で大きく取り上げられたこともあり、知っていました。同氏の『プロテスタンティズム – 宗教改革から現代政治まで 』(2017年、中公新書) は、良い本だと思い、このホームページでも紹介しました。
池内紀さんの『ヒトラーの時代』(中公新書)も、つい最近、このホームページでも紹介しました。67項目もの訂正があったとは。

・・・書籍の信頼を揺るがす事案が続く背景には、厳しい出版状況がある。出版科学研究所のデータによると、18年の書籍の販売額はピークの1996年から36%減った。逆に新刊点数は13%増。刊行点数を増やして売り上げ減を補う負のスパイラルに陥っている。
その無理のしわ寄せが編集現場に及び、品質低下を招いている。校正プロダクションの聚珍社では「以前は出版社から2回の校正作業を依頼されていたが、最近は初校だけという仕事が増えてきた」(鬼頭大介社長)・・・

本を読んでいて、時に誤植などに気がつくことがあります。重大なものは、出版社に電子メールで報告することもあります(山川出版の例)。
しかし、多くは読み飛ばしているのでしょうね。まあ、寝る前に布団に寝転がって読んでいますし、精読ではなく飛ばし読みが多いですから。