人を集める街、渋谷。消費か発信か

7月22日の読売新聞「シブヤ再起動 流行の発信地、進化続く」から。

・・・渋谷は、若者の新しいファッションの発信地だった。1970~80年代、パルコはコム・デ・ギャルソンやヨウジヤマモトといった若手デザイナーのブランドを売り出し、「DCブランド」ブームの火付け役となった。
続いて訪れた「渋カジ」ブームは少し様相が違っていた。アパレル業界やファッション雑誌主導でなく、若者たちが自由にアレンジした服装が自然発生的に流行していった。インターネットのない時代、若者は古着屋などの街のネットワークを情報源とし、新しいトレンドを生み出した。その後、東急系のファッションビル「SHIBUYA109」を中心に生まれた「ガングロ」などのブームも、渋谷という街が作った。

インターネットを通じてどこでも服を買えるようになった現在、街がファッションの流行を生み出すことは少なくなった。パルコは、セゾングループの解体に翻弄ほんろうされ、勢いを失った。
11月のリニューアルオープンを前に建設工事が進む渋谷パルコを今、包んでいるのは、2019年の「ネオ東京」を舞台にしたSFマンガ「AKIRA(アキラ)」だ。工事用の仮囲いに緻密ちみつなイラストが描かれ、世界中から観光客が集まる撮影スポットとなっている・・・
・・・歩き回ることで新たな文化につなげる。堤清二氏が描いた理想は今、渋谷の周辺に芽吹いている・・・

・・・日本女子大の田中大介准教授(41)は、「ネットで物を買えるようになり、渋谷は『消費する街』ではなくなった」と指摘する。一方で、「『発信する街』としての魅力で人を集める場所となれる可能性がある」とみている・・・

人を集める街、活力ある街の要素がわかります。