自信が持てない教師

7月7日の朝日新聞教育面に「自信が持てない日本の教員 OECD、48カ国・地域を調査」が載っていました。
・・・経済協力開発機構(OECD)が5年に1回実施している、国際教員指導環境調査(TALIS)の結果が公表された。日本の教員が、どのような指導や自己評価をしているのか。学校を取り巻く状況は、他の国と比べてどうなのか。調査結果から浮かぶ傾向を、2回にわたって報告する・・・

・・・調査結果で際立つのは、日本の教員の自己評価の低さだ。例えば、「生徒に勉強ができると自信を持たせる」という質問に対し、「非常に良くできている」または「かなりできている」と答えた中学教員は24・1%。調査に参加した48カ国・地域の平均の86・3%の3分の1未満だった。
似たような質問で、「批判的思考を促す」は24・5%(参加国・地域平均82・2%)、「学習の価値を見いだせるように手助けする」は33・9%(同82・8%)で、いずれも参加国・地域で最低の数値だった。「デジタル技術を利用した学習支援」も35・0%(同66・7%)にとどまった・・・

世界の趨勢との違いに、驚きます。このような状況で、良い教育ができるとは思えません。日本の教員が謙虚だということもあるのでしょうが、これだけもの差がつくのですかね。
他方で、多くの小中学生が学習塾に行くことも、異様です。有名校を受験させるという目的もあるのでしょうが、学校教育では不十分なので塾に行かせている親も多いのでしょう。高校生になると、塾に行くのが当たり前のようになっています。学校教育が不十分なのでしょう。おかしな話です。

次のような指摘もあります。
・・・調査は、日本の教員が授業以外の業務で忙しい状況も明らかにした。中学教員の1週間の仕事時間は56・0時間で、平均の38・3時間を大きく上回った一方、授業時間は18・0時間で、平均の20・3時間より短かった。その分、部活などの課外指導(7・5時間)と事務業務(5・6時間)はいずれも参加国・地域で最長。知識や専門性を高めるための「職能開発」に費やした時間は0・6時間で、最も短かった・・・

かつては、世界一の水準にあるともいわれた日本の初等教育。何かおかしいですね。そして、長く指摘されていながら変わらないということも、おかしいです。
明治以来の画一的教育に成功したが故に、方向転換に失敗しているのだと思います。文部科学省の教育行政の仕組み、教育大学・教育学部の教員養成の仕組みです。