原発被災地の復興

今日は、川内村を視察してきました。村は、阿武隈高地にある盆地の村です。
比較的早く避難指示が解除され、住民が戻りつつあります。発災前に比べ、人口は8割になっています。このうち2割が、新住民です。

新しい人が入ってくれることはうれしいのですが、課題は子育て世代が戻らないことです。避難先で学校に通った子供は、村に戻らずそちらで育つことも多いのです。
また、村内に高校がありません。隣の富岡町の中心部まで車まで30分もあれば行けるので、そちらに通っていました。しかし、富岡町の復興はまだ緒に就いたばかりで、高校も再開していません。すると、中学まで村に戻って学んでも、その先はまた村を出なくてはなりません。
そのほかの商用サービスも含め、富岡町は地域の中心でした。村が単体で復興することは難しいのです。双葉郡全体での復興が必要です。

村が元に戻る指標は、人口だけでなく、若い者、子育て世代の戻りが重要です。村は、工業団地を整備し、企業を誘致して、働く場をつくっています。進出企業も次々決まっています。課題は、働く人に住んでもらうことです。

若い人が減っている、都会に出て戻ってこないという課題は、津波被災地でも、そのほかの日本の多くの過疎地域でも同様です。違いは、原発被災地は、原発事故で政府が住民を避難させたことです。その原発事故は、東電と経産省が引き起こした人災だという点です。だから、政府が責任を果たすために復興に取り組んでいるのです。

雨の中の村は、緑がきれいでした。ヤマボウシの花や栗の木の花の白色が目立ちます。ナツツバキの花もきれいでした。