平成時代から引き継ぐもの4

平成時代から引き継ぐもの3」の続きです。

その他に、平成30年間の変化から、いくつか拾ってみましょう。朝日新聞「数字で平成の30年を振り返ると」など。
大学進学率が、25%から53%へ。もっとも、18歳人口が193万人から118万人に減って、大学生は207万人から291万人に増えたのです。
非正規労働者が、800万人から2100万人へ。高学歴が増えたのに、生活が不安定になりました。人生設計が、親の時代と大きく変わったのです。
農業の担い手は、324万人から145万人へ。しかも、65歳以上が7割で、40代以下は1割です。産業としては危機的状況です。それは、農村の風景をも変えていきます。
訪日外国人客が、283万人から3119万人へ。これは、京都に行くと実感できます。産業としては、期待できます。
交通事故死者は、11086人から3532人へ。シートベルトの義務づけ、飲酒運転の厳罰化などによります。
自殺者は、22436人から34427人を経て20840人へ。3万にを越えたときがありましたが、少し減っています。
数字では示すことができませんが、ボランティア活動が広がりました。阪神・淡路大震災で活躍し、ボランティア元年と呼ばれたのは、平成7年(1995年)です。東日本大震災でも、組織ボランティアであるNPOが大活躍しました。

こうしてみると、「失われた20年」と言われる割には、日本社会はその良さを維持し、改善している面もあります。それが、国民が、平成時代に良い感じを持っている理由でしょう。
問題は、経済です。ジャパン・アズ・ナンバーワンと有頂天になった経済界が、その後、長期にわたり停滞を止めることができなかった。罪深いと思います。
政治と行政への批判もあるでしょうが、平成は政治・行政改革の時代でもあったのです。「行政改革の現在位置~その進化と課題」。もちろん、まだ十分とは言えませんが。

さて、平成を振り返り、良い方向に変えることができたことと、悪い変化を止めることができなかったことを教訓に、変化・改革を続けなければなりません。