白猫黒猫論、白犬黒犬論

汽車と新幹線、漱石と鄧小平」の続きです。

鄧小平の有名な言葉に「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」という「白猫黒猫論」があります。共産主義であれ、資本主義であれ、人民を豊かにするならどちらでもよいという趣旨です。当時それを聞いて、わかりやすい表現だなと思いました。

後に、次のようなもじりを考えました。
「白い犬でも黒い犬でも、しっぽを振る犬はかわいい」です。
どれくらい役に立つ犬かはわかりません、またどちらが美しいかは分かりません。しかし、しっぽを振って寄ってくる犬はかわいいのです。たくさん肉をもらえます。それに対し、しっぽを振らない犬は、かわいくありません。肉を少ししかもらえません。
職員も、仕事の出来不出来はひとまずおいて、愛想よく近づいてくる人は憎めません。上司の評価が高くなります。

この「ことわざ」は、白猫黒猫論に比べ低級ですが、私たちの日常では、こちらの方をよく体験します。ゴマスリ人間は尊敬できませんが、上司から見ると、しっぽを振る犬はかわいく見えるのです。
ニコニコしていることが楽しく仕事をするコツだと、お教えしました。無理してごまをする必要はありませんが、時に上司に合わせることも出世のコツです。
物事をきちんとまじめに考える人には、この話は通じないので、読み飛ばしてください。